みんなへつうしん  3月11日(木)

 

10年前も6年の担任をしていました。

この日,6時間目の体育を終え,

子どもたちはバスケの後で汗びっしょり,

バラバラと3階の6年教室に上がっていき,

 

「配るプリント持って行くから,

 帰りの用意してて~」

 

と声をかけてぼくは職員室へ。

 

しばらくして,

今まで感じたことがないほど

校舎がゆれる地震が起き,

まず思ったのは,

 

「この校舎,崩れるかも」

 

という危機感。

 

すぐに校庭に逃げ出すと,

出てはいけないベランダに,

うちのクラスの6年生だけ出ていて

 

「先生ーー!!」

 

と叫んでいる。

 

「すぐに逃げろーー!!」

 

と叫び返すと,

一番遠い6年教室のはずが,

一番早く全員が外に避難してきた。

 

むかえに行くよりも早く,

確実に指示が通った。

 

ルールを破ってベランダに出た

6年生のおかげだった。

 

いざというときに,

ルールが大事だったり,

じゃまになったりする。

 

「自分で考える,判断する」

ということは,危うくもあり,

大事でもあることに

気づいた瞬間だった。

 

いつ崩れてもおかしくない校舎に

子どもたちを戻すわけにもいかず,

とはいえ,

外は風もありとても寒かったので,

ぼくがみんなの上着を

クラスから持ち出してきて,

おうちの人の迎えを待った。

 

みんなが連絡し合ったためか,

電話はほとんどつながらない。

 

それでも,

学校の子どもたちの安全を考えたら,

クラスの子たちを

家に帰すわけにはいかないので,

ぼくらは安全を確保した体育館で,

迎えが来ない子たちと夜をむかえた。


当時4歳の息子は保育園,

0歳の娘は妻と2人で

家にいるだろう。

 

連絡がつかないので,安否は不明。

 

でも,

同じように預かってくれている

と信じて,

自分のクラスの子どもたちと,

おうちの人の迎えを待つことしか

できなかった。


ここではそれで済んだだろうが,

東北の海沿いに住む人たちや,

福島第一原発がある地域の人たちは,

それどころではなかった。

 

テレビでは毎日のように

辛い現実が放送され,

娯楽番組は不謹慎と判断したのか

放送されなくなった。

 

地震よりも,津波の被害が

尋常じゃなかった。

 

死者・行方不明者を含め2万2000人。

 

被災した地域の様子を見ていると,

何もできずにとりあえず

生きていられることが,

申し訳なくなってくるのだ。

 

きっと,

全然関係ない地域の人を含め,

日本全体の元気が

奪われた災害だったと思う。


けれど,それで気づかされたことがある。

 

当時のツイッターに,

こんな書き込みがあった。

 

***ここから

 

家を無くした40代の女性が言った。

 

「私達は他人の幸せや喜びを

 ねたむほど落ちぶれてはいない。

 皆さんどうぞ我慢せず,

 楽しい時は笑い,

 嬉しい時は喜んでください。

 私達も一日も早く

 皆さんに追いつきます」

 

…俺は涙をこらえ

 笑顔でエールを送った。

 

***ここまで

 

元気でいられる人は

元気でいなければならない。

 

それはきっと義務だ。

 

元気な人が元気をなくして,

元気がない人を

元気づけられるはずがない。


 ***


最近,クラスでも

そんなことがあった。

 

気持ちの弱っている人が,

自分の弱さをさらけ出すのはいい。

そうでもしないと気がすまないほど,

きっと辛い思いをしているのだろう。


だけど,

その人の気持ちを知ろうとして,

同じように自分を傷つける

というのは間違っている。

 

そういう弱い人を,

本当に守りたいのであれば,

自分は元気でいなければならない。

 

気持ちが弱っている人は,

どんなことでもマイナスにとらえてしまう。

 

それは法則的なこと。

 

「元気な人といると疲れちゃうんだ」

というのであれば,

距離をとればいいと思う。


だけど,そんな弱さを

気にも止めないくらい元気な人たちが,

知らないうちに,弱っている自分に

元気をわけてくれていることに,

気づけたらいい。

 

だからきっと,

今日もみんな学校に

来られているんだと思う。

 

 

 

***

 

卒業まで,あと…

 

このデザインの作者は,

浜辺美波さんの大ファンのこの方!

 

 

浜辺美波さんご本人が

このブログを見てくれるといいね(笑)

Rinちゃん,いつも無尽蔵の

元気をわけてくれてありがとう!