みんなへつうしん   2月25日(木)

 

先日,

歴史の教科書に載っていた,

「黒塗り」にされて使われていた

戦時中の教科書が

 

「実際に見てみたい」

 

というので,

 

「修身の教科書」

 

を使って,

実際にどんなふうに

授業していたのかを

紹介してみました。

 

 


子どもたちが使っていたのは,

上のページのような

簡単なものですが,

 

例えば,このお話には

とても細かい兄弟の設定があって,

先生が読み聞かせ風に

そのお話を読んでいって,

〈善い行い〉がスッと心に

入ってくるようにできています。

 

 

このような授業を,

どの学年でも

週に3時間もかけて,

しっかりと教えていました。

 

なぜでしょう?

 


明治維新が起きて,

世の中の常識が

一気に変わりました。

 

幕府主導で,

なにも考えることなく

平穏に生きていた人たちも,

ひとりひとりが学び始め,

それぞれが自分の意思で

歩み出すようになると,

世の中は荒れました。

 

それはまるで,

先生の言うことを

ひとつもきかない

クラスのようでした。


そのような中でも,

他国に負けない

強い国にするためには,

国民に武器を持たせ,

みんなで戦わなければなりません。

 

言うなれば,

荒れたクラスの子どもたちに

武器を持たせるようなものです。

 

考えてみたら,

極めて危険な行為だったのです。


だからこそ,

国のために忠義をつくす

 

〈よい子ども〉

 

を育てる必要がありました。

 

そこで作られたのが

 

「教育勅語」

 

という〈天皇の教え〉です。

 

学校でも,軍でも,

その教えを大切にし,

みんなで学び,

〈よい人間〉〈よい子ども〉

をめざしました。

 

そして,それは決して,

「天皇のために命を投げ出せ」

というような

危険な教えではありませんでした。

 

でも,

人の心にストンと落ちてくる,

自分がいい人になったような

気持ちになる教えだったのです。


具体的には,

 

「父母に孝行し」

 

「兄弟仲良くし」

 

「夫婦は仲むつまじく」

 

「友達とは信じ合い」

 

「行動はつつしみ深く」

 

「他人を助け」

 

「学問を修め」

 

「仕事を習い」

 

「徳と才能をみがき」

 

「進んで世の中につくし」

 

「きまりを守り」

 

「いざというときには,

 勇気と正義をもって
 国を助けなさい」 

 

というもの。

 


これは,

いまの日本人にも

共感される考え方です。

 

煉獄さんをはじめ

『鬼滅の刃』のキャラクターに

とても人気が集まるのが

その証拠でしょう。

 

 

しかしながら,

この教えが浸透してしまうと,

自分の命を,他の人のために

喜んで投げ出せる人が

育ってしまいました。

 

「仲間を助けるため」

 

という正義感で,

 

相手を殺しても平気な人間を

育ててしまいました。

 

「鬼畜米英」が唱えられ,

まさに,

アメリカ人とイギリス人は

「鬼」と教えられました。

 

悪鬼滅殺を信じて戦ったのです。

 

 

敗戦後,この教えは

「危険思想」とみなされ,

GHQによって回収され,

処分されました。

 

しかしながら,いままた見直され,

復刻版として再発行されています。

 

なぜでしょう?

 

 


戦後,

「日本の戦争は間違っていた」

という反省の元,

もっと自由な教育が求められました。

 

しかしながら,

次第に人々の

道徳やモラルは失われ,

上の人の言うことを

きかないような子どもが育ちました。


例えるならそれは,

縦割り清掃のときに,

全くいうことをきかない

低学年のメンバーが集まり,

自分ひとりががんばって

掃除をしなくちゃいけない

6年生のような感じです(笑)

 

「もっと私のいうことをきいてほしい」

 

と思うでしょう?

 

そんなとき,

〈ヨイコドモ〉の教えがあったら,

どんなに素晴らしいだろう

と思いませんか。


そういう世の中になってくると,

その反動は必ずあります。

 

「歴史は繰り返す」といいますが,

きちんとそれを学んでいれば,

同じ失敗はしないですみます。


みんなが違う考えを持っていて,

いろんな意見がぶつかって

疲れるけど,

それって,とっても素晴らしい

ことなのです。

 

みんなの考えが同じだったら,

怖ろしいのです。

 

みんなで大失敗しないように,

「ありえないだろう!」

という仲間が必要です。

 

落ち着いていたら,

勉強がはかどって

いいかもしれないけれど,

答えがある勉強なら,

アプリでも,家でも,

ひとりでできます。

 

きっと,いまの学校は,

もっともっと大切なことを

学ぶ場だと思っています。

 

「ああ,人って, 

 大切にしていることや

 考え方が 全然違うんだな。

 そりゃあ,話をわかってくれない

 わけだわ。でも,

 それって大事なことだよな」

 

って気づくことができたら,

きっと,いじめや戦争は,

減らすことができるのです。

 

そういう明るい展望を

もてるようになるといいんだけどね。

 

 

 

卒業まで,

 

今日は,サッカー少年Yuumaくんの作品!

サッカーボールは白黒がよく似合うね。