みんなへつうしん   12月3日(木)

 

昨日の歴史の授業では

「勝海舟」が登場したので,

「社会を変革するときの心得」

のお話をしました。


いま,アメリカの現状

などをみるとわかりますが,

社会が大きく変わろうとしています。

 

新型コロナで,生活の仕方が

大きく変わることも原因になったり,

AIの進歩で将来の仕事の形も

大きく変わろうとしたりしています。

 

こういう「時代の変わり目」では,

今まで大切にされてきたことが

通用しなくなることがあります。

 

もしかすると,

今まで「ダメだ」とされてきたことが

「賞賛」されるようになるかもしれません。

 

「びりっかす,向きを変えれば先頭に」

 

ということわざがあります。

(板倉聖宣『発想法かるた』より)

 

自分が大切にしていることが,

今の時代に合わなくても,

もしかしたら,時代の方が,

自分の進んでいる道を

追いかけてくることが

あるかもしれないのです。


そんなとき,

勝海舟のような人たちが

成し遂げたことは,

とても学べるところがあります。

 

前にも書きましたが,

明治維新は日本最大の革命です。

 

その革命に,

これだけ少ない犠牲で

乗り越えられたということは,

見事としかいいようがありません。

 

ここで学びたいのは,

「いつ戦うか」

ということです。


「自分たちが1,相手が9」の時,

つまり,マイノリティーでの戦いは,

もちろん戦いをしかけたりはしません。

 

どんなにこちらが正しいことであっても,

こっそり自分たちで考え,

周りには逆らわず,

研究を進めていく段階です。


「地球は太陽の周りを回っている」

 

有名な科学者ガリレオは,

その事実が正しいと知りながら,

宗教裁判では,

そのことについて戦おうとはせず,

あえてウソを言って

処刑されることから逃れ,

科学の研究を進めました。

 

それが世間の常識になるには,

なんと,それから

約100年がかかっています。


では,

「自分たちが6,相手が4」

になったら,

戦いをしかけるのか。

 

…というと,答えは「否(いいえ)」。


ちょっと優位になれば,

戦いには勝てるでしょう。

 

しかしながら,

大きな犠牲を払い,

血がたくさん流れます。

 

これが戦争ではなく,

話し合いで決めること

みたいな場合だったとしても,

大きな論争になり,

ねじ伏せられた「4」の人たちに

恨みが残り,

本当の意味での改革は,

達成できないかもしれません。


では,

「自分たちが9,相手が1」

になったときにはどうでしょう。

 

ここでようやく戦いをしかけるのか。

 

…いいえ。答えはやはり「否」。

 

ここまで来れば,実は

「戦わずして勝つ」

ことができるのです。

 

「江戸無血開城」という

偉業を成し遂げた人たちは,

きっと,このような発想法を

もっていました。

 

そういう平和的で大切な知識は,

ぼくら日本人が

受け継いでいくべき宝だと

思っています。

 


みんなが考えた

「ふれあい班あそび」は,

班の子たちから喜ばれていましたね。

そういう先輩のリーダーシップも,

この学校に受け継がれていくのでしょう。

それは素晴らしいことなのですよ。