東野圭吾さんの作品は初めてです。
小学生の羽原円華(うはらまどか)は、北海道にある母親(美奈)の実家に遊びにきていた。
父親は、医者で急に難しい手術が入り来られなくなった。
祖父が葬式でお酒を飲んで、車で帰って来られなくなり、円華と母親で自転車を2人乗りして迎えにいくことになったが、途中で嵐と竜巻に巻き込まれ、母親は助からなかった。
円華はこの時に自分の不思議な能力をはっきりと自覚した。
武尾徹(たけおとおる)は、警備保障会社に勤務していたが、業績不振で健康状態がベストでないことを理由に契約を解除された。元警察官で大柄で40代後半の武尾に魅力的な仕事は中々見つからなかった。
上司のセクハラをそれとなく指摘して、地方の辺鄙な派出所に飛ばされたとは言えず、不正問題で処分されたと思われがちなことも新しい仕事に出会うことを邪魔していた。
そんな時に開明(かいめい)大学の桐宮玲(きりみやれい)という女性から電話がかかってきた。
警備会社を止めたことは問い合わせて知っていて、武尾にある人物の護衛の仕事を依頼してきた。
警察官時代は、体格と柔道三段の腕を見込まれ警備課で要人の警護をすることが多かった。
強烈な正義感と使命感を感じ天職のように思えてSPになることを夢見たりもした。
警備会社勤務時代に武尾は、桐宮から仕事を依頼されたことがあって、その時に仕事ぶりが気に入られたのだ。かなり変わった特殊な内容の警護を頼んでも、内容に関して一切無関心であるように見えるところが気に入られたようだ。武尾本人には警護上の必要性がない限り、依頼者のプライバシーに関わってはならないという強い自覚があったのだ。
水木義郎という大物の映画監督が赤熊温泉で硫化水素事故で死亡するという奇跡的な確率でしかありえないような事故があり、○○大学で地球化学を研究している青井は事の正否についてコメントを求められた。
専門家の青井にとっても説明できないような事故だったので、成り行き上調査せざるを得ないことになった。
被害者が宿泊していた旅館の女将からも話を聞き、硫化水素が発生したと思われる事故現場にも足を運んだ。
ちょうどその事故現場で二十歳前後の女性をみかけた。
その時は、なぜこんな観光地でもない辺鄙で寂しい場所に若い女性が一人で何をしているのだろうと不思議に思ったがそれ以上は気にならなかった。
事故なのか事件なのか、明確な判断ができないまま思案を重ねていると、苫手温泉地で火山ガスによる中毒事故が起こったと知らせが入る。しかも、その火山ガスは、硫化水素であった。
事故なのか事件なのか明確に判別することが難しいような奇跡的に珍しい出来事が、数日間の間をおいてほとんど連続的に発生したのは、とても単なる偶然とは思えず、謎は深まるばかりであった。
そういう訳で苫手温泉にも調査に行くことになった。
その事故現場で赤熊温泉で見かけたのと同じ女性と出会ってしまい、それは(偶然奇×奇跡)の二乗くらいの確率の出来事で、宇宙がひっくり返るくらいに驚いたのである。
そして、青井は、赤熊温泉と苫手温泉のの出来事は無関係ではないと、確信したのである。
