私が嫉妬でもすると思ったのかそれとも外に付き合っている女性がいる事を遠回しに言っているつもりだったのか??


実際に、二人は付き合っていた。

中田はいつも帰宅すると必ず同じ場所に時計とセカンドバッグと携帯電話と車の鍵を置く。

あれ?キーケースが代わっている。また買ったの??
傍らに小さい箱があった。
まぎれもなくカルティエの箱。中田は時計、セカンドバッグ、財布等々をカルティエで揃えていた。

箱の中にそれまで使っていたキーケースが入っていた。小さい紙と一緒に。

その紙は、中田がくれたポロシャツのブランドのものだった。

いつもありがとう
何もお返し出来てないから受け取ってね
これからもよろしく
ダイスキです

はっきり憶えていないがこんな内容だった。

そして中田のゴルフウェアにそのブランドがかなり増えた。

私は、何も知らない振りをし続けた。
だんだん私は中田に対して不信感ばかり増してしまい話をするのも嫌になって来ていた。

相変わらず毎日帰宅が遅い。「遅くなる」という連絡もいつの間にかなくなっていた。携帯電話がちまたに出回り始めて中田はすぐに買った。電話をしても出ない。

中田はゴルフがかなり上手く、仕事を休んでゴルフのアマチュアの大会に出ていた。普段まったく家庭をかえりみず自分のしたい事を優先して暮らしているのに世間体だけは守りたいのか私に大会を観戦に来るように言った。

珠里を連れて行ったり実家に預けたりして大会が開催されるゴルフ場に行った。県内でもトップレベルの中田は同じトップクラスの人達と親しくなっていて、皆に私を紹介した。
「美男美女の夫婦だな」等々言われて中田は嬉しそうだった。


そんなある日、中田が「これ着てよ、俺とペアだよ」とポロシャツをくれた。
どうしたんだ?しかもペア?
ファッションブランドが立ち上げたゴルフ部門のものだった。定番の白。

「どうしたの?」と色んな意味を込めて聞いてみた。

「あぁ、ゴルフ教えてあげている女の子がデパートのその店で働いていて買ってあげたよ。俺のファンだって。俺って結構モテルんだぜ」と答えた。

はい、はい、確かにあなたは顔もいいし、ゴルフもうまいし、人当たりもいいですよ。でも見栄っ張りで格好ばかり気にしている家族も大切に出来ない中身は空っぽな男でしょ?口には出さなかったが私は心の中でつぶやいた。


どんどん中田への信頼がなくって行く。

自宅に届く郵便物と中田の実家に届く郵便物があった。
私は中田の実家に届く郵便物を見た事がなかった。
ところが、中田が捨てるのを忘れたのかクレジット会社の明細書があった。

「何を買った時の物?」私はすでに開封されていた中身をみて唖然とした。

中田から私への婚約指輪を買った時の利用明細書。


他にも私に隠している事がたくさんあるのではないかと思った。