前回のお話
突然放たれた衝撃的な言葉を1度では飲み込めず
混乱とショックで手が震え
なかなかうまくタイピングができない。
あの日聞いた別れ話は、嘘?
私、騙されていた?まさか…。
私は必死にコウキから聞いていた話をサヤカに話した。
サヤカと別れ話をした話。
その後付き合う事になった事。
東京で会った事。
拾い集めると少なすぎるエピソードを細かく話した。
だけど、サヤカとの話を照らし合わせても
食い違いだらけで、何一つ繋がらなかった。
サヤカとコウキはあの後も普通に付き合っていて
夏休み中も何度も遊びに行って
私がコウキと会っていたその日も
ディズニーランドに行ったんだという。
メールも残ってるから間違いないと。
迷路の様な世界に迷い込んだ気分になり
このままサヤカと話していても何も答えは出てこない。
当然だけどサヤカもショックを受けている様で
お互いコウキに電話をするが繋がらない。
実在する人物なのかも分からなくなってきた。
サヤカも、コウキも。
体の震えが止まらない。
ずっと永遠に続く事を夢見ていたのに。
こんな形で未来が消えてしまうなんて
想像もしていなかった。
突然失った喪失感で頭が真っ白になり
何も分からないまま、扉は閉ざされてしまった。
それから永遠にコウキと繋がる事は無かった。
ねえ、コウキ
あの出会いはなんだったの?
どうして、私と付き合ったの?
あの言葉も、あの優しさも、全部嘘だったの?
18歳の夏の思い出は
今でも箱を開けるたびにキラキラしていて
その下から永遠に広がる闇に取り憑かれる。
初めて味わった裏切りという感触。
それから長い間
心の奥底で黒くて重い鉛のようなものが
消えずに残り
時々暴れ出すようになった。


