日本は世界の中でも、非常に老舗企業が多い国です。世界最古の企業は大阪にある金剛組で、寺や神社を建設する宮大工の会社です。創立は飛鳥時代の578年で、1,400年以上の歴史を持っています。

 

その金剛組を筆頭に、山梨県巨摩郡にある世界最古の宿泊施設の「慶雲館」(創立708年)、京都市にある仏具店の「田中伊雅仏具店」(創立889年)、同じく京都市の医薬品販売の「平井常栄堂」(創立971年)や和菓子の「一和」(創立1,000年)など、千年を超える企業が存在し、老舗企業の宝庫となっています。

 

千年以上続いている老舗
千年企業

世界の中で千年以上続いている企業は上の表のように7社あり、その全てが日本に存在しています。

 

ヨーロッパには200年以上続いている会社だけが入会できるエノキアン協会というものがあります。エノキアン協会で最古の会社は、イタリアで1,291年に設立されたガラス工芸メーカーです。その会社より古い会社が、なんと日本には約100社あります。

 

200年以上続いている老舗企業は、世界で約4,400社あります。そのうちの7割にあたる3,146社が日本の企業です。

 

また、100年以上続いている老舗は、個人商店なども含めると日本には10万社以上あると推定されています。そのうち約45,000社が製造業です。

 

製造業の老舗企業には、工芸品などを作っているようなところが多いのですが、携帯電話やコンピュータなどの電子部品やバイオテクノロジーなど、最先端技術を持つ企業も少なくありません。

 

日本の老舗企業は伝統を守るだけでなく、新たな技術を開発して最先端の技術を有している企業があるというのは驚くべきことです。

 

 

老舗企業は、ほとんどが日本とヨーロッパにあります。日本以外のアジアには、200年以上続いている企業は中国に9社、台湾に7社、インドに3社と、極僅かです。ちなみに韓国には100年以上続いている企業はひとつもありません。

 

 

冒頭に挙げた世界最古の企業の金剛組ですが、実な平成18年に破産申請をしています。金剛組が経営危機に陥った時に、高松建設が金剛組の営業権と宮大工なども全て引き受けました。

 

通常、営業権譲渡をすれば金剛組の名前は消滅することになります。しかし、高松建設の社長は金剛組の名前を消してはならないという想いを抱いていました。

 

元の金剛組は大阪市の天王寺区にありました。異なる区であれば、同じ名前の会社を登録することができるため、高松建設のある淀川区に金剛組という会社を作っておき、営業譲渡の日に天王寺区に住所を変更しました。こうして金剛組は生き延びることができたようです。


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