皆さんは医系技官(医療技官とも言います)という行政官を知っているでしょうか?

医系技官とは、医師免許や歯科医師免許を保有している厚生労働省の役人で、保健医療制度に関わる政策の立案・決定・実施に関わっています。

 

厚生労働省のホームページを見ると、医系技官には行政官としての専門性と、医師としての専門性の両方が求められるということになっています。

 

しかし、医系技官には行政官としての専門性も医師としての専門性も持ち合わせていない人が数多く存在します。

 

医系技官は国家公務員試験を受けてはいません。選抜方法は、小論文、グループディスカッション、面接、性格検査だけです(詳しくは厚生労働省の医系技官採用情報を参照してください )。つまり、一般の官僚に比べて、法律の知識が著しく欠けています。

 

医師としての専門性についても、一般の医師に比べると大人と子供以上の差があります。医系技官の多くは、実際の医療現場で医師として働いたことがないからです。医師免許は取得しても病院で働くことなく医系技官になっています。

 

医系技官を含めた厚生労働省の実態を書いた「さらば厚労省」の作者である村重直子氏は、医師免許を取得して臨床経験がない医系技官のことを「ペーパードクター」と言っています。

 

これは、医系技官というのは、自動車運転免許を取得したけど免許を取得してからほとんど運転をしていない「ペーパードライバー」のようなものだと言っているのです。

 

自動車の免許を取得しても運転をしていなければ、運転技術は向上しませんし、運転技術は未熟なままです。ある程度運転しなければ一人前に運転することはできません。

 

同様に、医師免許を取得しただけでは一人前の医師とは言えず、医療現場で臨床経験を何年も積んで初めて一人前の医師になります。また、病院で働いた経験がありませんので、医療現場のこともよく知りません。

 

ちょっと前のデータですが、平成20720日時点における厚生労働省の部局で、局長・部長・課長・室長である医系技官は33人でした。そのうち、卒業後に研修医にもならずに入省したのが13人、2年間の研修期間後すぐに入省したのが3人でした。

 

卒業から入省まで6年が1人、15年が1人、不明は15人となっていました(「厚生労働省医系技官の臨床経験を調べてみた」 参照)。

 

少なくとも、一定の役職に付いている医系技官の半分は現場の医療経験がないということになります。まさしく「ペーパードクター」と呼ぶのに相応しい人達です。

 

そのような「ペーパードクター」が医療行政のことを決めているのです。自動車に例えるのであれば、ペーパードライバーが、交通法規などの交通行政を決めているということになります。結果として、医療現場のことが分からないまま、頓珍漢な施策を決めてしまい、医療現場に不要な混乱を起こして、国民の健康のためにならないことをやってしまいます。

 

行政官としても医師としても専門性を持ち合わせていませんが、官僚の負の面だけは持ち合わせています。それは「自分たちが責任を取らないようにする」という性質です。こんな人達が医療行政の政策決定に関与しているため、そのシワ寄せが医療現場や国民にいってしまいます。


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