日本の小麦の価格は世界的にみて非常に高くなっています。その理由は、農林水産省が小麦価格を高騰させているからです。

 

小麦を輸入するときの関税率は252%となっています。つまり、外国から輸入するとなると、元の価格の約3.5倍になってしまいます。小麦の国際価格は1トン当たり約3万円ですから、1トンの小麦を輸入すると75,600円の関税を払わなければなりません。

 

しかし、農林水産省は輸入業者に対して、関税を払うよりも低価格で小麦を輸入できる仕組みを提供しています。政府が商社から国際価格で小麦を買い取ります。直近6ヶ月の政府買付価格の平均額に、マークアップという政府管理経費および国内産小麦の生産振興対策に割り当てる経費を上乗せして、国内の製粉業者に売り渡します。

 

このマークアップの価格は関税額に比べれば非常に低くなっていますので、当然製粉業者などは関税を払って輸入せずに政府を経由して買うことになります。

 

ここで、小麦の国際価格と、上記の政府売渡価格の推移を見てみます。

小麦価格推移

国際価格と政府売渡価格の差は、少ないときで約16,000千円、多いときは約4万円あります。倍率にすると、1.5倍から3倍弱になっています。

 

マークアップとして政府に入るお金は、一般会計ではなく農林水産省の特別会計に計上されます。年によってバラツキがありますが、年間約1千億円です。このお金は国内の小麦生産の生産振興対策に充てるとなっていますが、小麦の国内生産量は増えているわけではありません。更に農林水産省の天下り団体に多くのお金が流れています。

 

国内産小麦収穫量推移

国民に高く小麦を売りつけるだけでなく、そのお金を全く役に立たないことに使ってしまっているのです。関税であれば一般会計に計上されますので、税収を少なくしている上に、無駄にお金を浪費しているということです。

また、政府は幾らで買おうと確実にマージンを乗せることができますので、小麦を安く買おうという努力はほとんどしません。結果として、国内に出回る小麦価格は高止まりすることになります。

 

しかし、農林水産省は次のように説明をしています。

 

輸入小麦の政府売渡制度は、食料として重要な小麦の安定供給と小麦を原料とした食品の価格維持を行う上で大切な役割を果たしています。

 

農林水産省は、本当にどうしようもない組織だというのがよく分かると思います。このような国益を大きく損ねる制度は早く廃止するべきです。


(日本の農業の他の記事)
○日本の食料自給率は69%?
○食料自給率を上げる方法
○日本の農業生産は世界7位!
○日本の農地の半分は大規模農家の農地
○日本の農家はほとんどは農業が副業?
○変な規格のせいで美味しい農産物が出回らなくなる
○美味しい牛乳が流通しない仕組みがある