食料自給率というものについて、ちょっと怪しいなというのを以前の記事 で説明しました。それでは、日本の農業は世界の中でどのくらいの位置付けにあるのでしょうか。

 

まずは、国別の農業生産額のランキングを見てみます。

国別農業生産額

資料出所:GLOBAL NOTE

 

日本は世界で第7位になっています。ロシアよりも農業生産額が多く、先進国の中ではアメリカに次ぐ2位です。農業国で輸出も多いオーストラリアやフランスなどは10位以内にも入っていなかったのは意外でした。

 

生産額から見れば、日本というのは農業大国の部類に入ると言えるでしょう。日本の農業は弱いと一般的には言われていますが、そのイメージとはちょっと違いますね。

 

でも、日本の農業は零細な家族経営が多く、高齢化が進んで後継者不足になっていると言われています。そして、日本は食糧の多くを外国に依存しており、世界最大の食糧輸入国ということも聞いたことがあると思います。

 

本当に日本は世界最大の食糧輸入国なのでしょうか。では農産物の輸入額のトップ10を見てみます。

農産物輸入額

資料出所:H24農業白書

 

なんと、世界最大の食料輸入国は米国でした。米国は、世界最大の食料輸出国であると同時に世界最大の食料輸入国でもあります。日本は、米国、中国、ドイツに次いで4位でした。しかし、人口が多ければ輸入額も大きくなる傾向があります。そこで、実際の依存度を表す国民1人当たり農産物輸入額を、主要5カ国について見てみましょう。

1人当たり農産物輸入額

資料出所:H24農業白書、GLOBAL NOTE

 

日本の国民1人当たり農産物輸入額は、ドイツ、英国、フランスよりもかなり低くなっています。日本の農業は様々な問題を抱えていますが、数字でみる限り日本は農業大国といってもいいような気がします。私もこれらの数字を見るまでは、日本は農業弱小国で生産額も少ないと思い込んでいました。やはり、イメージだけではなく、具体的な数字などで確認しないと、本当のことを見誤ってしまうということだと思います。


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