4月27日の「たかじんのそこまで言って委員会」に、野党各党の国会議員が出演して、幾つかのテーマについて是非を議論していました。その中で、みんなの党の浅尾氏が歳入庁の設立を主張していました。浅尾氏は、歳入庁が税金と社会保険料を一括して徴収するようになれば徴収率が上がり、現在よりも収入が10兆円多くなると言っていました。
その意見に対して、共産党の小池氏が歳入庁に反対の意向を示していました。理由は、健康保険や公的年金保険の保険料徴収を歳入庁が行うようになると、保険料を払えないような人が税金と同じように厳しく取り立てるのは反対だと言っていました。
小池氏の言っていることには誤りが二つあります。一つは、健康保険や公的年金保険の保険料を滞納すると、税金を滞納したときと同様に法的執行が適用され、差し押さえをすることは現在でも可能です。
二つ目は、国民健康保険や国民年金保険については、所得に応じて減免する制度があります。国民年金では所得に応じて、保険料を4分の1から全額を免除する仕組みになっています。生活保護を受給していれば国民年金の保険料は全額免除になります。
共産党は、法律などについては正確に調べて主張することが多いのですが、今回は大きな事実誤認をしていました。または、健康保険や公的年金保険の保険料を漏れなく徴収されると何かまずいことでもあるのかもしれません。
財務省は、国の財政状況が厳しいから消費税の税率アップを主張してきました。財務省が本当に国の借金を減らしたいと考えているのであれば、歳入庁に反対する理由はないでしょう。
しかし、番組中でも言われていたように、歳入庁が新設されると国税庁が財務省から切り離されてしまうため、財務省は大反対なのです。国税庁は査察権を持っており、国税庁の解釈によって脱税とみなされることは幾らでもあります。これにより、政治家をコントロールして財務省の言いなりにすることが可能になります。
民主党政権誕生時の鳩山由紀夫氏は、当初は本気で官僚主導を打破しようと考えていました(具体策は伴っていませんでしたが、一応やる気だけはありました。)。しかし、鳩山氏の脱税関係のネタを掴んでいた財務省によって、あっさりと白旗を揚げてしまいました。
野党であれば、みんなの党のように明確に歳入庁新設を主張することは可能です。しかし、与党の場合はそう単純にはいきません。与党であれば、財務省と組んで国政を行わなければなりません。正面きって財務省と対峙することを言えば、財務省がサボタージュやマスメディアへのリークなどによる妨害活動をしてきます。上記のように脱税絡みで与党政治家を失脚させようとするかもしれません。
安倍政権のように強い政権でなければ、歳入庁新設のような大きな改革は実現できません。時期を見計らって、この改革に着手をすることを期待しています。財務省の中には改革派も存在しますので、それまでに財務省の中にいる改革賛同者を見極めておくことも必要だと思います。