新明解だいがく生かつ辞典 -反省堂- 風の谷の13番目の大学生 -375ページ目

「自由とは何か」060707

 死に行く運命の人間にとって、生きるという1つの楽しみ、これを満喫しないで、どうして生きているといえるだろうか。人間が人間であるゆえんは、生きている時間を自分色に染めていくことができるというところにあるのではないだろうか?
 「自由に生きる」とは、どういうことか?私はこれまで「自由」という言葉を深く考えたことがなかった。「自由に生きる」という言葉が抽象的な上に、今まで自分がやりたいように、したいことをしてきた自由人の私には、これは難しい問題である。
 そこで、まず、この問題を考えるに当たって、自由ではないときとは、どういうときか?どのようなときに自由でないと感じるのか?と考えた。自由ではないとき、それは、不快な状況を脱することが出来ないとき、何か行動を起こすときに、それが困難な状況、不可能な状態になっているとき、自分が進むべき道に選択の余地がないとき。いろいろな場合があげられるが、その多くにおいて、行動しようとしていることに対して、何らかの障害、壁があるといえるだろう。それは、本当に物質的な壁であるかもしれないし、校則、法律などの強制力、自然の摂理、自分を妨げる人間、または自分自身が壁であるかもしれない。その壁、障害こそが、講義で扱った「束縛」であると私は考えた。つまり、「束縛からの解放」が「自由」であり、そのような束縛から解放されることによって、自由に生きることが出来るのではないだろうかと考えた。
 確かに、束縛から解放されることで、自由に生きることが出来るかもしれない。しかし、それが、本当の自由なのだろうか?「自由」は、何らかの束縛がないと、見出されないものではないと思う。束縛されていなくても、自らの夢、希望を持って、それに向かって行動していくさまも「自由」といえるであろう。私は、このような積極的自由こそが本来の「自由」であると考える。
 「自由に生きるとは、好きなときに寝て、好きなだけ寝ることである。」というようなことを言う人がいるかもしれないが、私はそのような自由ではなく、人生において、いくつもある選択肢を、その先にどんなことがあろうとも、自分で選んでいくことが、本当の「自由」であり、自分自身の責任として自分で選んだ道を進んでいくことが「自由に生きる」ということであると考える。自分の人生は自分だけのものだから。




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