<今回のお言葉>
死んだ者が望むのは仇討ちではなく、生きている者の幸福でござる。
お前がこの小さな手を汚しても誰一人喜びやしない。時が経てばこの小さな手も大きくなり、お前は必ず大人になる。
その時、志々雄一派の様に力で人を虐(しいた)げる男にはなるな。
村人の様に暴力に怯(おび)えて何も出来ない男になるな。
最期の最期までお前を案じ続けたお前の兄の様な男になって
幸福(しあわせ)になるでござるよ。
集英社コミックス「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」 第七十一幕「再び京都へ」より緋村剣心のセリフ
なんか最近のニュースによるとシリア軍幹部が次々に国外に亡命しているとか。シリアでは国民の民主化運動を弾圧しようと政権側が女性や子供も容赦せず虐殺し、国際的大問題になっていますよね。
軍の幹部が逃亡するということは、アサド政権も終りが近いのかな?けど、40年の長きに亘ってアサド親子が支配していたので、国内には代わりが出来る人や組織が育ってないんですよね。一応、外国に亡命した反体制派シリア人の「SNC(シリア国民評議会)」という組織が欧米から支持を得ているみたいですが、ここも内部対立があったり、リーダーが辞任したり、9.11を引き起こしたアルカーイダ(Al-Qaeda)からサポートと受けているのではと言われたり、ちょっとイマイチ。どうなるんすかね。
シリアでは人口の10%程度のイスラム教アラウィー派が、圧倒的多数のスンナ派(スンニ派)の国民を、軍や秘密警察によって強権支配しています。
スンナ派はイスラム教では最大の宗派だそうです。一方、アラウィー派は主にシリアにしか見られず、しかもそのシリアでも少数派。他のイスラム教とは一風変わっていて仏教やキリスト教にも似たところがあるそうです。
かなりかわった宗派が一番メジャーな最大宗派を支配している訳ですね。
少数派が武力と権力で多数派を押さえ込んでいる、というのはよくある構図ですが、こういった所では支配者側は絶対、民主化なんて許しませんよね。民主主義というのは多数決。そんなもん導入されては少数派は負けも同然です。しかも、どんな仕返しが待っているかわからない。
しかし、支配されている方から見れば、民主主義が導入されなければ一生、被差別側で生きていくわけですから、こちらも譲れない。
相手を潰してしまわない限り、こちらが潰される。血で血を洗う闘いが始まって、憎悪の連鎖が止まらなくなる。
仲間を殺されたからといって、相手を殺せば、その相手にも仲間はいるわけで、相手の仲間に報復される。いわば仲間のかたきを討つということは自分の仲間を殺すということだよね。憎悪の連鎖は憎まないことで断ち切れる、とはいうけれどそんな簡単な話じゃないッスよね。きっと。
けど、復讐に生きる人生なんてどう考えても幸せな人生じゃないし、死んだ人も自分の復讐のために、生き残った者が不幸な人生を送るんじゃあ、何かいたたまれないよね。生きてる人間が自分のせいで不幸になってるみたいだし。
死者のために、復讐をするのではなく、死者のために復讐をしない、という選択肢はないのかなあ。
アイルランドの古いことわざに、こういうのがあるそうです。
泣くな、復讐しろ。Don't cry, just revenge.
こわっ!怖すぎるわ。でもね、これはこの後こう続くんですよ。
最高の復讐は幸せな人生を送ることである。The best revenge is to live well.
殺し合いの復讐っていう大きな話だけじゃなくて、日常生活でも人から苦渋を飲まされたり、屈辱を味合わされたりするけど、それもおんなじだよね。人を憎むことに時間を費やさないで早く忘れて、楽しいことを考えていた方が幸せになれるはずさ!
「るろうに剣心」は実写で映画化されるんですよね。最近は「僕等がいた」、「宇宙兄弟」、「テルマエ・ロマエ」などコミックを実写映画化したものがヒットしてますね。
「るろうに剣心」は僕の好きなコミックなので、ちょっと不安です。てか実写には向かねぇだろって密かに思ってます。見に行くかどうかも決めかねてます。ちなみにお言葉のエピソードは映画には出てこないみたいです。
「るろ剣」実写映画版の予告編です。