<今回の江戸:横浜スタジアム 2>
女子ソフトボールの国際大会「ジャパン・カップ
」決勝を
見てきました。
場所は横浜スタジアムです。
ジャパンカップは日本が外国チームを招待し
行われる大会です。
2002年から行われており、今年で5回目です。
今回は、昨年開催された世界選手権
で優勝したアメリカ、
準優勝の日本、3位のオーストラリア、4位の中国
が顔をそろえました。
各チーム総当たりで予選を行い、上位2チームが
決勝戦を行います。
そして決勝戦のカードは
日本vs.アメリカ です。
アメリカはアトランタで女子ソフトボールが五輪正式種目
になってからアトランタ
、シドニー
、アテネ
と3連覇中。
次回で最後になる北京も制覇し完全制覇を狙います。
また、4年に一度開かれる世界選手権も6連覇中
とまさに女王です。
昨年のジャパンカップ
でも優勝しています。
予選ラウンドは日本がアメリカを降していますが
お互いエースを温存していたので参考になりません。
日本の先発投手は世界最速女、エース上野由岐子
投手。
この日も世界最高に近い118km/hを計測していました。
アメリカの先発はモニカ・アボット
投手。まだ21歳の女子大生。
191cmの長身、速球派でサウスポーです。
試合は序盤は投手戦。特にアボット投手は
全く日本打線を寄せ付けません。
1回の裏から5者連続三振!
長いリーチを活かし、左バッターのインコースからアウトコースに
逃げていくファストボールを効果的に使っていました。
上野投手も3回まではアメリカ打線をパーフェクトに
抑えていましたが、4回表に3連打で1点を失いました。
日本は5回表からは坂井寛子投手に継投。
変化球といえば縦のものが主体のソフトボールにおいて
珍しく横にスライドする「シュート」を投げる
世界でも稀なピッチャーです。
坂井投手、アボット投手ともに相手打線を
完璧に抑え込み再び投手戦になります。
6回裏アボット投手は先頭打者の
8番ライト狩野(かりの)亜由美
選手に死球を与えます。
ここまで1安打ピッチングで来たアボット投手ですが
ここで若さが出てしまいました。
ワイルドピッチでランナーを2塁まで進めてしまいます。
そして捕手の3塁悪送球でランナーが生還。
日本はアメリカのミスで1-1の同点に追い付きました。
最終回の7回にはエースのキャット・オスターマン
投手
が登板。彼女も187cmと長身のサウスポー。
しかしアボット投手と違って変化球投手です。
昨年の世界選手権決勝では日本をたった1安打に
抑え込みました。
オスターマン投手に代わった直後、日本の4番
馬渕智子
選手が2塁打を放ち、やっと日本チームも
2本目のヒットが出ますが、結局無得点。
オスターマン投手はキャッチャーから球を受け取り
投げるまでの動作が実に堂に入ってました。
流れるような美しいピッチングフォーム、
野球で言うところのマウンドさばき
(ソフトボールにはマウンドはないのですけど)
も実に絵になっていました。
必死で他のことは目に入らないといった感じの
アボット投手とはちょっと違ってましたね。
そのピンチの時にも慣れたような冷静さが
彼女の潜り抜けてきた修羅場の数を物語っていました。
試合は1-1のまま延長戦に突入しました。
ソフトボールの延長戦は「タイブレーカー方式」と
いって、ノーアウト2塁という状況からイニングが
始まります。点を取りやすくするためだそうです。
しかし、それにもかかわらず坂井、オスターマン両投手
とも譲らず互いに点が入りません。
延長10回表、初めて坂井投手がヒットを許しました。
打ったのは悪送球で日本に点を与えてしまった
5番キャッチャーのステイシー・ヌーヴマン
選手。
意地の一打でした。
その後、ランナーをためたアメリカは押し出しの四球で
1点勝ち越し、2-1とします。
10回の裏、ここまでたった2安打に抑えられてきた日本。
タイブレーカーの無死2塁から攻撃が始まります。
先頭の4番レフト馬渕智子選手が四球を選んで、無死1、2塁。
5番サード廣瀬芽(めぐ)選手のバントヒットで無死満塁!
一打同点、いや逆転サヨナラのチャンスです!
しかし、オスターマン投手は冷静でした。
6番ファースト佐藤理恵選手、7番DP(野球のDH)河野美里選手
を連続三振に仕留めます。これで二死満塁。
8番の狩野選手は今日は死球で出塁した後、バッテリーエラー
で本塁に戻ってきたラッキーガールです。
何とかしてくれるんじゃないか~と思っていたのですが
あっという間に2ストライクとバッターインザホールに追い込まれました。
そして勝利まであと、1球というところで何とあれほど冷静で
完璧な投球を続けていたオスターマンがワイルドピッチ!
日本、土壇場で2-2の同点に追い付きました!
延長11回表、強打アメリカ打線を相手に6イニング1安打に
抑えてきた坂井投手でしたが、とうとうタイムリーを浴び、
タイブレーカーのランナーが帰って3-2。
アメリカ、またもや突き放します。
11回の裏、日本の反撃が期待されましたが
今度はオスターマンが完璧に日本を抑えてゲームセット。
アメリカが優勝しました。
世界選手権に続き、またもやキャット・オスターマン
が日本の前に立ちはだかりました。
日本は世界選手権、ワールドカップ
、カナダカップ
そして今回のジャパンカップと、ここのところ
立て続けにアメリカに優勝を阻まれています。
7イニング制のソフトボールで延長11回まで
戦ったのですから、日本も惜しかった!
・・・と言いたい所ですが、全くアメリカ投手陣を
打てる気配がありませんでした。
11回でヒットはわずか3本、三振は何と21個!
挙げた得点もアメリカのミスによるもの。
アボット、オスターマンの両投手に完璧に
封じ込められていました。
日本は上野投手に次ぐ第二投手の育成が
課題だったのですが、それも上手くいかず、
引退した坂井投手が現役復帰。
しかも、「抑えて当然」と思われている上野投手も
世界選手権、ジャパンカップと2戦連続で
アメリカに打ち込まれています。
今回は女王アメリカの底力を見せつけられましたね。
日本、アメリカともに北京五輪出場を既に決めています。
最後の五輪制覇に向けて、両チームとも
金メダルを狙いに行くと思いますが、
日本チームは投打ともにレベルを上げないと厳しいです。
けど頑張って欲しいですね。
今から北京五輪が楽しみです。
<今回の石川の人:坂井寛子>
坂井寛子さんは太陽誘電ソフトボールチーム
所属の
ピッチャーです。石川・金沢高校の出身。
高校時代は国体では石川高校選抜チームに抜擢され、
それほどソフトボールのレベルが高くない
石川をベスト4に導いています。
金沢高校から当時はまだ、2部リーグに所属していた
戸田中央総合病院に入社。
エースとしてチームを1部リーグに昇格させました。
しかし、98年の日本で行われた世界選手権のメンバー
候補に選ばれるも最終選考で落選。
続く2000年のシドニー五輪もメンバー候補になりながら
またも最終選考で落選。二度も候補になりながら
最終選考で落選という屈辱を味わいます。
しかし、それまで速球派だったのが、シュートを覚えて
道が開けてきます。
2002年のカナダで行われた世界選手権では大活躍。
2勝1敗で防御率は何と0.27!
日本チームの2位に大きく貢献しました。
この年は日本リーグでも最多勝を獲得。
2004年のアテネ五輪では台湾、ギリシャを完封し
銅メダルを獲得しました。
2005年に引退しアメアスポーツ・ジャパンのウィルソン事業部
でソフトボールクリニックやソフトボール教室、
日本ソフトボールリーグの紹介などを行い、ソフトボールの
普及活動に専念しました。
しかし、2006年にバッテリーを組んでいた山路典子さんから
誘われ、山路さんが監督をしている太陽誘電に入社し、
現役復帰しました。
坂井投手の2007年のリーグ成績は8勝4敗防御率は1.35
防御率はリーグ10位なんですよねえ。
しかし、アメリカ戦の好投もあってか、
北京五輪の最終候補に残りました。
しかし、2度あることは3度あるなんて言うし、
また最終選考で・・・。
いや、そりゃないでしょ。うん、ないない。
今度はぜひ、金色のメダルを持って帰ってきてほしいですね。