京都市が京都駅の一極集中にこだわる訳の推測 | オーナーの独り言

京都市が京都駅の一極集中にこだわる訳の推測

 今日の京都の天気は曇りのち晴れ。午前中は少し肌寒かったのですが、午後に入り、急に空気が暖かくなり、気持ちのいい天気になりました。

 

 さて表題の件。先日、京都市とJRが、国の補助金も使って、京都駅に新たな改札口と出口を整備するとのこと。現在問題になっている、京都駅の混雑問題に対応するためで、事業費が総額で約250億円とのこと。

 

 私は先日、このブログで、何故に京都市はここまでに京都駅への一極集中にこだわるのか、全く謎、と書きましたが、やはり今回の施策も、根本的に京都駅への一極集中を止めるための施策ではなく、集中した乗客をどううまく流すか、にこだわっているようです。

 

 一説によると、これまであった、京都駅直結のビッグカメラ京都駅前店の閉店により、そこに設置されていた改札口が閉鎖されたので、その代替に作るのでは、とも言われております。でもね、私も過去何度か、この改札口を利用したことがありますが、以前は本当に誰も利用しておらず、本当に空気のような存在でした。その代替に、250億円、って正直なんかおかしいと思っております。

 

 いくら新たに出口を作ってみても、その出口を積極的に使用しようとする乗客が少ないのであれば、全く混雑対策にはなりませんが、仮に旧ビッグカメラ京都駅前店の後釜なのであれば、出口の先にはあまりめぼしい行き先がありませんので、再び空気になってしまうと思います。

 

 大阪市や福岡市、札幌市など、他にも内外から多くの観光客が押し寄せている中核都市はあります。でも、なぜ京都駅だけが、これだけ混雑を問題視されているのでしょうか?

 

 福岡市を例に取ってみるとよくわかりますが、福岡市は訪日外国人が到着するポイント、国内観光客が到着するポイント、福岡市外に住む就業者や学生が到着するポイントが、全て異なるのです。訪日外国人がまず到着するのは福岡空港です。国内で移動する観光客は、新幹線の駅のある博多です。そして、市内に通勤通学する人は、福岡天神に集まります。福岡空港、博多、天神は市営地下鉄でそれぞれ直結しており、それぞれの福岡市への流入者は、1つのポイントに集中することなく、その間を移動できますので、混雑問題が生まれないのです。

 

 しかし京都市の場合はというと、訪日外国人が初めて到着するポイントは京都駅です。国内で移動する観光客も京都駅です。そして、市外から通勤通学する人が集まるのは、阪急の四条烏丸とJRの京都駅です。つまり、訪日外客、国内の観光客、そして市外らの通勤・通学者の3つの層が、全て最初の到着地として京都駅を利用するのです。そりゃ、混むに決まってますよね。

 

 ですので、この問題を解決するには、訪日外客、国内の観光客、市外からの通勤・通学客のうちのどれかの到着ポイントを京都駅以外にすることが最も望ましく、だからこそ私は西大路駅の有効利用を提言し、それにより大阪方面からの通勤・通学客と、大阪方面から来る内外の観光客の、最初の到着ポイントを京都駅からシフトすることで、京都駅の混雑問題を解決できる、と思うのです。

 

 この解決方法は、訪日外国人にとっても、国内の観光客にとっても、また市外からの通勤・通学客にとってもいい案だと思います。ただし、唯一不満に感じるだろうな、と思うのが京都市です。

 

 というのも、京都市財政の最大の問題は、市営地下鉄の赤字問題なのです。このために、京都市の財政が傾いてしまったといっても、過言ではありません。しかし、私が提案した施策を実施した場合、京都市営地下鉄の利用客が今よりも減少してしまう可能性が高いです。そうなってくると、京都市の財政がもうにっちもさっちもいかなくなる、という事態も想定できます。個人的には、だからこそ、京都市はあくまで西大路駅の有効利用は拒絶し、あくまで京都駅に人を集め、なんとかして地下鉄を利用してもらいたい、と考えているんだろうな、と思うのです。

 

 個人的には、現在これほど利用されない地下鉄に固執するよりは、今回の改札口新設の事業費も含め、また国の支援も受けて、1000億円規模の基金でもつくり、そこで損失を管理し、あとは京都市全体の発展のために、合理的な視野で市政運営を行ったほうが良い気がしますけどね。