【映画】インフィニティ・プール~主人公に感情移入したら気が重くなってしまった | 鶏のブログ

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【監督】ブランドン・クローネンバーグ

【原題】Infinity Pool

【制作国】カナダ/クロアチア/ハンガリー

【上映時間】118分

【配給】トランスフォーマー

【出演】アレクサンダー・スカルスガルド(ジェームズ・フォスター)

    ミア・ゴス(ガビ・バウアー)

【公式サイト】
バリ島風のリゾートにやってきたフォスター夫妻。ホテルで知り合ったバウアー夫妻に誘われて、本来は禁止されているホテルの外へのドライブに行った結果、夫のジェームズがとんでもない目に遭うというホラー作品でした。
本作のキーとなるのは、自分のクローンが作れてしまう技術がある世界のお話であることで、島民を交通事故で殺してしまったジェームズが、自らのクローンが罪滅ぼしのために身代わりとなって死刑に処せられるのをはじめ、何度もクローンが殺されるシーンが印象的でした。
 
さらにもっと怖いのが、「Pearl パール」での演技が非常に印象的だったミア・ゴスが演じたガビ・バウアー。リゾートでの暇つぶしにジェームズに狙いを定め、気がある振りをして彼に近づき、徐々に肉体面、精神面両方で追い込みをかけて最後は廃人にしてしまいました。人間のクローンを作れるという設定は完全にSFですが、その部分を除けば金持ち女に弄ばれてポイっと捨てられてしまったジェームズの姿を見せられると、心胆寒からしめる恐ろしさを感じずにいられませんでした。
教訓としては、気が乗らないものには靡かず断ること、そして何よりも色仕掛けに気を付けろということでしょうか。
 
ただうだつが上がらないジェームズに自己投影してしまった私としては、最悪の物語であり、ちょっとゲンナリしてしまいました。ミア・ゴスの演技は相変わらず狂気に満ちており、その点は評価すべきところだと思うものの、どうも気が重くて・・・まあそれだけ観る者の心の隙間に入り込んでくる力のある作品だと言えるのかも知れませんが。
あと、リゾート地を舞台にした作品の割に、その景色の美しさが活かされていないように感じました。昼間の屋外でも全体的に暗い感じがあったのは、映画館の問題だったのか、作品自体がそういう味付けだったのか、いずれにしても映像は今ひとつでした。また音楽や効果音の方も、初っ端から大袈裟すぎてメリハリが感じられませんでした。
 
そんな訳で、本作の評価は★2とします。
 

総合評価:★★

詳細評価:

物語:★
配役:★★★
演出:★★
映像:★★
音楽:★