【映画】ミッドサマー ディレクターズカット版~設定がしっくりこない | 鶏のブログ

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観た映画、読んだ本などについてのメモです。
”ネタバレ”を含みがちなので、その点ご容赦下さいませ。

知人が本作を絶賛していたので見に行きましたが、ホラー映画というカテゴリーで評価するならば、あまり怖さを感じない映画でした。

監督は、ホラー映画にカテゴライズされることを嫌がっているという話も聞いたのですが、では一体どんな映画にカテゴライズされることを望んでいるのか、もしくは既存の枠にはめ込まれることを拒否しているのか分かりませんが、いずれにしても私はこの作品の世界に最後まで感情移入することが出来ず、ちょっと残念でした。

 

映像は非常に綺麗で、音楽なしに映像だけ見れば大自然を写したドキュメンタリーと言ってもいいほどでした。ただ、不安を掻き立てようとする不気味な音楽が重ねられていて、むしろこの大自然の美しさすらも不気味に感じさせるよう演出されていました。しかしながら、この演出がちょっと露骨に感じられ、あまり効果的ではなかったように思えました。

 

そもそも、スウェーデンの奥地にアニミズム的かつオカルトチックな風習を持ち続ける集落があるという設定自体が、しっくりこない原因だったような気もします。鑑賞後に公式サイトの解説を読むと、北欧などの史実や伝説、民話にヒントを得て物語が作られたようなのですが、あまりにも不釣り合いな印象を受けてしまいました。偏見なのかもしれませんが、アフリカとかアジアの奥地であれば、さもありなんというところだったように思います。

 

また、古くからの伝統に従って、普通の感覚では極めて残虐なことを実行することも厭わずに生きている集落の祝祭の割には、祭の開会式みたいな場面で、主人公を始めとする外国人がいるからと言って集落の代表格の人物が英語で話をしたり(伝統的ではないし、そもそも住人全員が英語を話せるのかという疑問も出てくる)、死体をハンマーでぶっ叩くシーンの死体が、如何にもゴムで作りましたって感じのチープな出来具合だったあたりも、あまり評価出来ない部分でした。

 

評価:★★