4年前の1月、久しぶりに一人の山を楽しもうと笹尾根歩きに出かけた時のことを書こう。

 

去年の秋に生藤山から浅間峠を歩いた時に、あと小棡峠から浅間峠をの間を歩けば、地図上の赤い線が、

奥多摩湖畔から三頭山、笹尾根、生藤山、陣馬山、景信山、高尾山、高尾駅までつながることに気がついていた。

 

地味なコースなのであまり人を誘うところではない。自己満足のために一人で出かける。

 

歩いていない区間だけなら沢渡あたりでおりて小棡峠にあがればいいのだが、

せっかくなのでもう少し奥の藤尾から笛吹峠にあがることにした。

 

 

 

上野原からのバスは8時46分1本しかない。

かつては崖下の狭い場所にバス停があって通学の高校生と送迎のバスや路線バスがひしめいていたが、

今は反対側の低い場所に広いバス停ができた。

 

飯尾行きのバスには私のほかに6人の登山客と数名の一般客が乗った。

一般客は町中でおりてしまい、上野原の町外れでまず4人の登山客がおりた。能岳にでも行くのか?

次に尾続で2人の登山客がおりて私一人になった。

 

 

 

藤尾のバス停から舗装の道が一段高いところにある集落へあがる道が分岐している。

そして笛吹峠の案内標識もあった。

 

 

 

日当たりのよい南向きの斜面に民家が点在している。

 

 

 

ふたたび笛吹峠の標識に導かれて民家の裏へと入り込む。

 

 

 

そこが古くからある峠道の入口だった。

 

 

 

少し上がると山奥の村らしい雰囲気の景色が見渡せる。

 

 

 

道はしっかりとしていて歩きやすい。

昨夜テレビで木曽馬の番組を見たが、そんな馬が荷を背負って行き来していたのだろう。

 

 

 

最初のやや急な尾根は道が九十九折になってのぼっていく。

杉の植林地だが、尾根の部分にはかなり太いモミの木があって、次々と姿をあらわす。

 

 

 

傾斜のゆるい部分になると道は尾根に沿ってまっすぐに登り始めた。

 

 

 

今度はアカマツが増えてきたらしく、足元が松かさでおおわれていた。

 

バス停を出発して1時間。数馬峠と笛吹峠の分岐点についた。ここで小休止。

 

 

 

分岐から笛吹峠までは前半はほぼ水平。後半はゆるやかな登り道となる。

 

この道も幅もひろくて歩きやすい道だったが、

ほんの一部、斜面のきつい部分をトラバースする箇所では

斜面から落ちてきた土砂で埋もれてしまい、道幅が狭くなっていた。

 

こういう部分では昔はふもとの集落の人たちが定期的に道の補修をしていたのだろう。

 

 

 

前方が明るくなってきた。峠は近い。

 

 

 

杉の植林地帯を抜け出して明るい雑木の尾根にとびだした。

 

 

 

広々とした尾根の片隅の木に西原峠、浅間峠の標識がたてかけてあった。

 

 

 

そこからまたちょっとした杉林を抜けるとそこが笛吹峠だった。

 

笛吹は「うずしき」と呼ぶらしい。別のところでは「うずひき」とも書いてあったように思う。

まあ関東人は「ひ」と「し」を混同することが多いのだが。

 

 

 

そばには「大日」の文字とひだり○○、みぎ○○と書いた丸い石が据えられていた。

どちらも地名はよく読めなかった。

 

 

 

このコースの最高点、丸山1098mはもう近い。

縦走路を少し外れて丸山山頂にむかう。

 

 

 

山頂はすぐだったが、雑木が多くて展望はほとんどない。

まだ11時25分だが、昼食休憩にした。

 

 

 

昼食はコンビニのおにぎりとぜんざい。

唐沢山でこのぜんざいを温めていただいたが、

ちょっとものたらないので白玉がわりに三色団子を入れてみた。

 

 

 

11時50分に丸山を出発。次は土俵岳あたりで休憩にしようか。

 

笹尾根はこれといって目立つ山がない。中でも今回のコースは一番地味な区間かもしれない。

ピークを目指すというより歴史を重ねてきた数々の峠をたどる旅という感じだ。

 

写真もたくさん撮ったのだが、帰ってから見返すとどれも同じような写真だ。

風景が同じようなのだから仕方がないのだ。だから峠の標識のほかは少しだけ紹介することにする。

 

丸山をくだるとまずは小棡峠。1993年4月に郷原から西原峠に登って歩いたときはここから笛吹にくだっていた。

 

 

 

次は日原峠。ここには石仏もあった。

 

 

ジョウビタキらしい小鳥が姿をみせ、すぐに飛び去ってしまった

 

 

 

防火用のドラム缶が並んでいた。

この日は日差しが暖かく、風もほとんど感じないほどだったが、中の水は凍っていた。

 

 

 

その少し先が土俵岳山頂だった。ほとんど登りらしいのぼりはない。

 

 

 

北側が切り開かれていて、奥多摩の御前山と大岳山が見えた。

長い尾根道だが、展望が開けたのはここだけだった。

 

 

土俵岳は展望こそあったがあまりのんびり休憩する雰囲気のところではなかったのでそのまま歩き続けた。

 

 

 

次の峠は日原峠。秋川流域の事貫(ことずら)や人里(へんぼり)と鶴川流域の日原を結ぶ峠だ。

石仏があった。

 

 

日原峠から広くなった尾根の緩斜面をくだり、いよいよ浅間峠へとむかう。

 

 

 

 

その間に877mピークがあって笹尾根にはめずらしく大きくもりあがっている。

上川乗のバスの時刻にはまだ時間があるのであのピークで2回目の休憩にしようと思う。

 

 

 

なにか山名の表記がないかとさがしたがなにもなかった。

あまり太くはないが倒木をならべてそれに腰掛けコーヒーをいれた。

 

 

 

ようやく浅間峠の東屋が見えた。

877mピークで15分ほど休憩したが、浅間峠までにはもうひとつのピークがあって20分ほどかかった。

 

 

 

浅間峠の標識は新しくて立派だ。

 

 

 

もう午後2時をまわったのでバスの時刻まで1時間だ。

上川乗までは2.5kと書いてあったが、道がいいはずなので40分程度でつけるだろう。

 

 

 

西斜面をくだる道はほんとうに歩きやすかった。

 

 

 

斜面から尾根にでて少しくだるとお堂があった。

そしてそこからは道がさらによくなった。

 

 

 

道にはこまめに横木が入れてある。

 

 

 

午後2時30分。舗装の道が見えてきた。

奥多摩と上野原をむすぶ甲武トンネルへの道だ。

 

 

 

 

 

歩きやすい道に助けられて予定通り40分で上川乗のバス停に到着。

バス停の裏には村営の無料駐車場とトイレもあった。


 

 

まだ短い冬の日が山の端に近づいてきた。

3時6分のバスで武蔵五日市駅へ。

 

これといったピークもない地味なコースだったが、無事赤線をつなぎ、満足した一日だった。

笹尾根はとてもいいところだ。

季節を選んでまた歩いてみたい。

 

 

今回は、2015年の1月に行った陣馬山から景信山のことを書く。

 

この日もからだに突き刺さってくるような冷え込みの日だった。

陣馬高原下でバスをおりると、そこにはまだ太陽の日差しは届いていなかった。

 

 

お正月のなごりなのか、常緑の木の枝を束ねて大きな柱がしつらえてあった。

見上げると山の斜面には日が届いているが、谷底は冷え切った空気がよどんでいる。

 

 

小流れにそそぐ水のしぶきが白く凍り付いていた。

日陰に氷を見ると寒さがなおさらしみてくる。

 

 

登山口の茶屋も正月らしく酒樽などが飾ってあった。

モノトーンの世界にここだけ華やぎがある。

 

 

谷底の道を陣馬山へむかって歩き出すと、

石灯籠と並んで不動明王を掘った石柱が立っていた。

 

陣馬山。関東では高尾山についで人気の山だが、

実は、私はこの日まで登ったことがなかった。

 

 

 

舗装の道をしばらく歩いてから沢に降りて山道にはいる。

大勢の人が訪れる山なので道はしっかりと踏まれていた。

 

 

樹林はよく手入れされていて、冬の日差しがななめに差し込んでくる。

平日とはいえ、前後に人影が絶えることはない。

 

 

山頂間近の山道は溶けた霜柱で道がぬかるんでいた。

そこを山の茶屋の人が、刈り取った茅を敷いて手入れをしてくれていた。

ちょっと立ち話をした。

 

陣馬山の斜面には、農家の屋根の茅葺に使った茅をとる茅場があるそうだが、

今は茅葺の農家そのものがなくなってしまったそうだ。

山道の手入れに礼をいって山頂にむかった。

 

 

855mの陣馬山の山頂は360度の展望台だった。これは人気の山になるはずだ。

これまで来なくてなんだか損をしていた気分。

 

 

冷え込んだ冬の日らしく、澄み切った空気のかなたに白い峰の連なりが見えていた。

南アルプスだ。手前の山は扇山。しっかりと名は体を表していた。

扇山の右には滝子山。頂上のつんととがった感じが私は好きだ。

 

 

そしてなんといっても富士山の展望。

探すまでもない。低い山波の向こうに大きくどっしりとすがたをみせていた。

 

 

丹沢山地の左の山間に光るものが見えた。海だろうか。

それほど高いわけではない陣馬山から山越しに海が見えるものだろうか。

地形図で確認してみたが無理な感じだった。

ではこのまっすぐなラインは雲海なのかもしれない。

 

 

冷え込んではいても風がないので、みなさんのんびりと休んで食事を楽しんでいた。

 

 

さて、この日は陣馬山から景信山まで歩いて、小仏のバス停から高尾に戻る計画だ。

 

首都圏自然歩道に指定されている道は、しっかりとしていてしかも幅も十分に広い。

尾根のコブにはちゃんと巻道がある。らくちんだ。

 

 

途中の明王峠。少し広くなっていてベンチなどもあった。

ここから南にむかえば相模湖に出られる。

 

その後も堂所山などのコブはあるものの、

ほぼ650m内外の尾根道が続いて景信山へと導いてくれる。

落ち葉の中をうろうろ路を探す楽しみはないが、

その分、安心して景色を楽しんでいられる。

 

 

景信山、727mに到着。関東平野が一望だ。

すぐ下には、前の週にハイキングの会で出かけた八王子城跡の山が。

 

 

ここでもみんなのんびり休んでいる。

寒いのでしっかり着込んではいてもなんとなくのどかな感じ。

 

 

景信山の山頂は一部に樹木があるが、

広い山頂を回り込むとこんどは南が見渡せる。

 

 

この山も富士山のビューポイントだ。

場所を移動すれば眺める景色もかわる。

 

 

 

高尾から小仏にむかうバスは、

駅ではいつも長い行列ができているが、帰りはそんなことはない。

本数も多いのであまり待つこともない。

 

このコースは楽に歩けて、とっておきのビューポイントをつなぐコースになっている。

景信山など高尾周辺はなんども歩いていたのに、なぜか陣馬山だけ行きそびれていた。

 

とても気に入った。実際この年は、4月に中央線の藤野から陣馬山を往復した。

その時のことは次の機会に書いてみたい。

 

 

 

秩父の名峰武甲山に登った。

2回目だ。

 

1回目は5年前の12月に登った。

その時は、一の鳥居から武甲山、子持山、大持山とまわって

妻坂峠から戻った。

秩父の名峰武甲山から大持山へ(2016年12月24日) | 毎日が山のこと

 

今回は武甲山だけにしたので

朝も少しゆっくりの出発。

でもそのために川越付近で渋滞につかまってしまった。

 

一の鳥居の駐車場についたのは9時40分。

途中、コンビニで朝飯を食べたり、トイレによったりしたので

2時間半近くかかってしまった。

 

 

日影には正月の雪がまだ少し残っている。

広い駐車スペースにはおよそ10台。

立派なトイレもある。

 

 

生川にそって舗装された道を登っていくが、

これがけっこうなつま先あがり。

 

 

すぐに丁目石を見つけた。

1丁90m。山頂まで50丁以上ある。

 

1丁目が見つからないと思ったら

鳥居とおおかみの狛犬のところにあるのを帰りに確認できた。

 

丁目石は、昔の年齢を数えで唱えたのと同じだ。

1丁目の石は、ここから次の石までが1丁目ですよという意味なのだ。

 

 

 

途中沢の砂防堰堤の工事をしていて登山道が仮設されていた。

 

 

 

 

シラジクボへの分岐を過ぎてしばらく進むと

舗装の道が終わり、いよいよ本格的な登山道になる。

 

 

登り始めは少し急だが、その後は

広い斜面を利用してジグザグに登っていくので、

幅のある道でとても歩きやすい。

 

 

鉄枠で補修された丁目石。

 

 

 

標高にして50mほど登ると不動滝だ。

湧水をペットボトルに詰めておいてあった。

上まで運んでほしいということかな?

 

 

さらに登ると傾斜が少しゆるくて広い斜面を

ジグザグにのぼるようになった。

 

25丁目をすぎた。

距離では半分近く来たということだ。

でもまだ途中のポイント大杉広場にはつかない。

 

それまで広い斜面を登ってきた道が

少し稜線っぽいほうへとむかう。

木々の間から青空が透けて見えて明るくなった。

 

山頂から南東に伸びる稜線にでて

そこを山頂へとむかうと大杉広場に出た。

 

 

まわりの杉よりもはるかに太い立派な杉が

堂々とそびえていた。

 

 

私をいれて写真を撮ってみた。

 

標識では、そこがちょうど標高1000mらしい。

このあたりから空気が冷たく感じだした。

 

 

そこからまだしばらくジグザグのぼりが続いて

その途中にも大杉がそびえていた。

 

前方に雪が付いた急斜面が見えてきた。

その斜面は落葉樹林で明るい。

そのあたりから基盤が石灰岩になるようだ。

 

足元にころがる岩にも石灰岩がまじりだした。

もう山頂は近い。

 

若いカップルが追い越していった。

 

 

山頂直下の武甲山御嶽神社に到着。

足元の雪が固まって凍っている。

 

 

 

社殿の右手をぬけて裏に回ると鐘楼があった。

 

 

その先にすぐに柵があらわれた。

いよいよ山頂だ。

 

柵にそって展望台へとむかう。

 

 

 

11時47分。一の鳥居からちょうど2時間だった。

1304mの山頂には、2人が休んでいた。

 

 

見下ろす真下には秩父盆地が広がる。

 

 

右て方向には関東平野とのあいだに広がる奥武蔵の山々。

 

 

北の方向には赤城山。

 

 

北西には浅間山。手前左のピークは暮れに登った赤久縄山だ。

 

 

 

西の方向は少し木の枝に隠れるが秩父の名峰両神山。

 

 

秩父市の街並み。

 

山頂は写真を撮っただけですぐに下におりて

神社の近くにある休憩所で昼食にした。

 

いつもの通りカップラーメンと豆大福。

12時10分下山開始。

 

下山はシラジクボをまわる。

 

 

山頂からほぼ真南に急な道をくだる。

 

 

左手は杉林。右手は落葉樹とカラマツのまじった明るい林。

 

 

その明るい林のあいだから両神山の全貌がみえた。

 

 

 

最低鞍部のシラジクボに12時35分。

シラジクボからの道は、

最初は急斜面の細いトラバース道だ。

 

すぐ下に並行して走る林道が見える。

シラジクボのすぐ下の分岐を左に行けば林道にでるようだ。

細いトラバース道よりは林道に出てしまった方が気楽に歩けそうだ。

 

 

シラジクボから20分ほど下ると山道と林道が合流し

その後すぐにまた分かれる。

 

 

ここは林道を歩くとかなりの遠回りになる。

だから山道をくだったが、この道もとても歩きやすい道だった。

 

 

沢を鉄板の橋でわたって朝歩いた舗装の道に出る。

駐車場には、13時25分に到着した。

下山は1時間15分だった。

 

武甲山も後期高齢者の少し強めのトレーニングには最適だ。

ただ、登山口が駅から遠いので車利用になるけど。