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ANOTHER DAYS

「orangeeeendays/みかんの日々」復刻版

ボルテージ乙ゲーキャラの二次妄想小説中心です
吉恋一護 誓い大和 怪盗流輝 スイルム英介 お気に入り
日々の出来事など。

before
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「帰りあんま混んでなくて良かったな。」

「うん。良かった。」

商店街に着いたのは22時少し前 シャッターの下りた商店街は人影はまばらだった。

「楽しかったな…。ね。」

「ああ。」

目を合わせるたび ***はどこか恥ずかしそうに目を伏せる。そして決まって左手でパンパンとヨーヨーを打ち鳴らす。

その音が静まる道に響く…夜が深くなり今日って日が終わるのを感じた。

「そういえばマスターの電話なんだった?」

「…別に?気をつけて帰るんだよって。」

「ったく、過保護なんだっつの。」

右手はずっと繋いだままだった。離したのは花火が終わりマスターに折り返しの電話をした時だけだったよな。

「自分の娘だと思ってんじゃねーの。」

「フフ、それを言うなら妹でしょ。」

だけどそろそろ離さなきゃならねーらしい。クロフネが近づくに連れ俺は歩くスピードが落ちていた。

俺からすればまだ22時 バイバイにはまだ早ぇだろって言いたいけど、

「到着。」

…言うと、困らせるだろうから。

店の前でどちらからともなく手を離す。***は店を背に立ち小声で言った。

「…今日はありがとう。すごく楽しかった。」

***は帰る頃から口数少なっていた。俺の顔もまともに見ようとしない。頬を赤くして…まぁそれもそうかもと思う。あんなキスのあとだから。

「いつまで意識してんだよ。」

意地悪心に火がつき 顔を覗き込めば、

「な、なに…?!」

また頬を染め大げさなほど仰け反る。慌てっぷりが可笑しくて思わず笑っちまう。

「んな避けられたらおやすみのキスも出来ねーけど?」

「ちょ、ちょっとぉ!」

顔を近づけたら両肩を押し返された。辺りを見渡し焦る姿にやっぱり笑っちまって、

「ハイハイ、じゃおやすみ。また明日。」

ポンと頭を撫で足先を家路に向けた。

「…あ、」

「え?」

「…ううん。おやすみ…」

遠慮がちに手を振る。振り返しながら背を向け歩き出した。

「ふぅ…。」

細い息を吐きながら。

・・・・

「ハァ…暑っーー。」

シャワーを浴び髪をタオルで拭きながらエアコンを付けた。そして携帯を手に取る。

明日…何時に出るか…。

明日は***と買い物に行く予定にしていた。帰る前日になって土産だなんだってバタバタするのがアイツらしいっちゃそう…。

「ハァ。」

ベッドに腰掛け冴えた目で窓から見える月を眺める。

「…。」

***、めちゃくちゃ構えてたよな…。

クロフネ前で顔真っ赤にしたアイツの様子が目に浮かぶ。

構えんのは無理もない。密かに俺からしてもあのキスは想定外っつーか…。

いつか幼なじみ達に話したことを思い出していた。***のことを知りたいし触れたい、キスもしたいしその先も…。それは本心だけど俺はそれを行動に移す気は無くて。

「…。」

むしろ避けてた…。

下手に求めて俺らの関係を壊したくなかったからだ。拒まれるに決まってるし、んな簡単に手を出させる女じゃないと思っている。それでなくても夏は短いのに、

「…あぶね。」

一度タガが外れたら衝動が抑えきれなくなりそうで。

外で良かったわ…部屋とかだったらマジであぶねー…。

早々に関係を持っていた今までの恋愛遍歴を思い出し、自分自身の軽薄な行動に呆れつつ、

〜♪

「っと…。」

でもまだ 抱きしめたかったとか…。

握ったままの携帯が鳴る。慌てて着信を受けた。

「あれ、寝てねーの。」

『寝てないよ。今お風呂から上がったところ。』

相手は***で。夜はタコ公園で落ち合うか何かしら連絡を取り合っていたから、確認しなくても***だと分かった。

相手に惚れてるとこんなにも違うか。寝る前に会うとか電話とか…以前の俺からしたら考えられないことだ。

『なにしてた?』

「俺もシャワー浴びて部屋で寛いでたとこ。」

『そか。…。』

…だけど今夜は、様子がいつもと違った。

「どした?」

『え?』

「疲れてんだろ。元気ねーよな。」

というより、キスをしてから落ち着きがない。照れくさいとか恥ずかしいとか、そういうことだと思っていたけど、電話でも?

そういえば帰り際、なにか言い掛けたような…。

「お前もう半分寝てんだろ。」

一瞬焦りのようなものが胸のなかに生まれる。

俺がキスなんてしたから?…

『…あの…。』

小さな吐息のあと、***は話始めた。

『話しそびれたことがあって…。』

「なに。…あー、明日のこと?」

悪いクセが出る。イヤな予感がしたら話を折ってしまう

「何時にする?俺も買いたい物あるから早めに出ようか。」

タオルを首に掛けベッドから腰を上げた。窓際に向かいながら、

『あの、明日なんだけど、』

「ああ。」

改めて月を見ることもせず、カーテンを閉めた時、

『…ここから行かない?』

「え?」

ここ?ここってどこ…。

眉間にシワが寄る。言っている意味が分からなかった。

『お祭りの時、ジョージさんから電話があったじゃない?…あの時言われたの。』

続きを聞いてもまだ、

『今夜はお姉ちゃんと一緒にいるから、帰らないって…。』

「は。姉ちゃん?」

そこまで言われても、なんでマスターが***の姉ちゃんと?って、そっちに疑問は向いて、

「マスターと姉ちゃんってどういう…」

『あの、だから…。』

この時にはもう、お前は顔真っ赤だったんだろうと思う。

『…今から、泊まりに来ない?』

「え?」

…分かれよって話だよな。

・・・・

断る事情も気もない。なんだかんだ言っても本心には抗えない。

中途半端に乾いた髪のまま速攻うちを出て向かったのは、

「ハァ…ッ」

少しでも長くアイツと夏を過ごしたかったからだ。


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