漫画みたいな話をかく。長編になりそうな予感はあるけど、展開がめちゃ早いので短編かなぁ。ある短編を絡ませる予定。
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「へぇ…。お前が***か。久しぶりに会った幼なじみはすっげぇキレイになっててっていうのがお決まりだけど。」
『浮かんだ言葉は『最悪』っていう二文字だった。』
…と、***は一護に再会しての感想をオレと剛史に話した。
「お前には当てはまらなかったな。」
『でたぁ意地悪一護!なにコイツ最悪もう最悪!!』
…と、心の中で叫んだらしい。ちなみに今も叫んでいる。
「一護は素直じゃないからね…。」
「想像以上に***がビビってる。」
どおりで一護の登場と同時に血の気の引いた顔をしてオレと剛史の背に隠れたわけだと
「一護ちゃん全然性格変わってないんだけど。ホント最悪なんだけど。」
「ハハ…」
一護が帰ってのちのクロフネで***は魂でも吸い取られたかのような表情で呟いた。
10年ぶりにこの街に戻って来た***。馴染みの喫茶クロフネに住む幼なじみは懐かしさ感じる愛らしい笑顔でオレ達と再会を果たす。
最初こそ照れ臭そうに頬を赤らめていたが 一護の登場にスッと顔色を変えた。
それもそのはず
「私、覚えてるから。お気に入りのポシェットを池に投げ捨てられたの。大事にしていたヘアピンを派手に曲げられたことも。」
子どもの頃 随分と一護にイジメられた…いや、可愛がられたコイツだからだ。
「新しい消しゴムは千切っていっこいっこ投げつけられた。いつも一緒に寝ていたうさぎのぬいぐるみも耳を引きちぎられた。」
「ハハ…」
「誕生日のケーキに私のだけ苺が無かった。」
「あ、それ覚えてる。一護が食ってた。」
頬を引きつらせながら恨みつらみをブツブツ言う***は一護が恐ろしくて恐ろしくて堪らなかったらしい。
「10年経って性格も変わっただろうって思ってたけど…全っ然変わってないのはなんでなの?さっきのなにあれ。このブスがって言ったよね?」
「言ってないから!」
「ヤバくない?私またイジメられるんじゃない?」
「そうじゃないんだよ、一護は照れ隠しでさ…」
「あーー!!もうどうしよう、たすけてよハルくんタケちゃん!」
「ハハ…」
まぁ落ち着けとオレ達は***を宥める。とにかく一護との思い出は最悪らしい。
出来るなら会いたくない 無理なら人格変わっていてと
吉祥寺に戻る事が決まってから毎日夜空に祈りを捧げていたというのだからよっぽどな黒歴史なんだろう。まぁ一護の態度は昔も今もコイツへの
「ええ?!同じクラスなの?!一護ちゃんの隣の席が空いてるってウソでしょ?!」
「まぁまぁ…」
愛情の裏返しなのではないかなと…オレと剛史は密かに思っているのだけど。
・・・・
「おい。」
「…なに。」
「消しゴム忘れた。貸せよ。」
ホント最悪なんだけど。
10年ぶりに戻って来た吉祥寺。再会した幼なじみ達
年月なんて関係なく私たちは昔のように接することが出来ていた。皆全然変わっていない。
ハルくんの優しさはとろけるほどだし、タケちゃんのクールさはある意味紳士的で
「…私も忘れました。」
「ウソつけ。お前の左手に握られてんじゃねーかよ。」
一護ちゃんの意地悪は健在だ。
ハァ…なんで一護ちゃんの隣の席かなぁ。
窓の向こうは桜の花びらが風に舞い 優雅に泳いでいる。なんて美しんだろうと眺めていたいのに
「貸せよブス。」
「…。」
一護ちゃんのほうを向くことになるからなかなか眺めてもいられない…。
新しいクラスにはすぐに馴染めた。それはハルくんがクラスメイトと馴染むよう常に声をかけてくれたという事もあるし、タケちゃんはああ見えて面倒見が良いから学校のことクラスのこと色々話をしてくれたからでもある。
おかげで新しい友だち達と楽しい学校生活を送れている…ただ一護ちゃんが
「早く貸せ。」
いちいちギリギリと歯を食いしばり睨んでくるから…ハァ〜もうコワいから!!
「あっ」
グッと腕を掴まれたら隠していた消しゴムが足元に転がった。慌てて拾おうとすれば
ガツッ!
「痛っ!」
「イテッ!!」
同時に屈んだろう彼と頭をぶつけて
「佐東、〇〇、お前らうるさいぞ!」
先生から注意は受けるわクラスメイトにクスクス笑われるわ
「…この石頭が…っ」
ヒィ…!
一護ちゃんには睨まれるわ…散々な目に遭う日々なのだ。
もう席替え早くして!!
・・・・
「あのトリオは凄いよ〜。バレンタインとか抱えるほどチョコ貰ってるよ。」
「か、抱えるほど?!」
「そんなトリオと幼なじみなんだから***が羨ましい!」
友人達と過ごすランチタイムは 逆に幼なじみ達の情報を得る時間だ。まぁ皆カッコ良いからモテるのは納得。だけど
「佐東くんなんて他校生まで放課後待ってたりするんだから。」
一護ちゃんが一番のモテ男だというのだから世の中分からないもんだ…
「…あんな意地悪な人いないけどね…」
頬を引きつらせる私ではあるけれど…さすがに子どもの頃のような意地悪を彼からされることはなかった。アタリがキツいのは確かだけど、普通に会話も出来るし
「次の授業、席変わってやろうか。」
「え?」
「桜。見たいんじゃねーの。」
あり得ない、あの一護ちゃんに優しさを感じるなんて事もあったり。
「その優しさが震えるほどコワいので結構です。」
「コロすぞお前。」
ぎこちなくはあるけれどなんとか一護ちゃんとも上手く付き合えてきていた。あまり深く関わらなければ大丈夫なのだ。…だけど
「図書室の掃除とか…。」
「お前が消しゴムを素直に貸さねーからだろうよ。」
最高に面倒な先生だったらしいあの授業。私たちは罰として図書室の掃除を命じられる。そこで
「あーダル。お前のせいだからな。」
「すいません…。」
私と彼の関係は随分と変わるんだ。
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