★サンタマリア:30 (怪盗X:Long:柳瀬流輝) | ANOTHER DAYS

ANOTHER DAYS

「orangeeeendays/みかんの日々」復刻版

ボルテージ乙ゲーキャラの二次妄想小説中心です
吉恋一護 誓い大和 怪盗流輝 スイルム英介 お気に入り
日々の出来事など。

ピッチを上げねば。★は前半のみになってしまった…。

 

before

**********************

 

「ふっ…あ…っ」

 

常に全身に力が入っていた。多分流輝さんにとってはひどくやっかいだったのではないかと思う。

 

「…おま…っ力抜け…ッ」

 

私が背に爪を立てたから…痛いよね だからそんな風に眉間に皺を寄せているんだって

 

「ハァ…ッ」

 

ギシッ

 

怒っているようにも …なにかを堪 えているようにも見える彼の表情に

 

「ふっ…ハァ…ん!」

 

戸惑いは隠せなかった。だけど甘 怠い何かは無意識に私に力を入れさせ彼を締 め付けて

 

「…おいッ…クソ…ッ」

 

大きく息を吐きながら首 筋に顔を伏せる。一瞬弱まった動 きとは反対に熱 い息を何度も吐く

 

「…無理…、力抜けないよ…」

 

震 える声で伝えたって また徐々に律 動は始まるから

 

「やッ…」

 

私こそ 堪 えきれない何かが身 体の内側から沸 いてきて

 

「…ぁん…!」

 

全身に纏 わり付いて…

 

「…ハァッ…一回出 すぞ。」

 

「え?…あっ」

 

彼の呼吸と同じタイミングで追い詰めてくるそれは

 

「や…イヤッ…!」

 

手前のどこかを指で弾 かれた事で…もう

 

「良いよ。イ ッとけ。」

 

…耳 元で囁 かれた事で…もう…

 

「ッ…!」

 

その瞬間 声を上げたかどうか分からない。それくらい グッと身 体に力が入って

 

「***…」

 

押し寄せた何かに飲み込まれた私は…。

 

・・・・

 

「キツかっただろ。」

 

「…うん…」

 

息の整った頃 流輝さんは静かにそう声を掛けてきた。

 

「初めてなのに流石にやり過ぎたな。…こう見えて反省してる。」

 

ニヤニヤしているって自覚があるの

 

緩んだ頬を隠すようにわざと軽い咳払いをし私の頭を撫  でる。

 

「…流輝さんのペースでって言ったの私だし。流輝さんが良かったなら…全然良いよ。」

 

「フン。…良かったも何も…」

 

ギシッ

 

私の顔を覗き込むように身 体を起こしたら

 

「すっげー良かった。」

 

「…感想は良い…」

 

頬を真っ赤に染める私にまた覆 い被さって。

 

「ん。」

 

「ん…」

 

チュッ

 

そして何度目かも分からない 優しいキスをしてくれて。

 

「…なんか照れる。」

 

「クック…今更?」

 

チュッ…

 

・・・・

 

「大した女だよ。お前は。」

 

雨は…止んだらしい。あの激しさはまるで私達の過ごした一瞬のようだと思った

 

静かに抱 き合うそのタイミングで雨も街を通り過ぎようとしていて

 

「俺が一度に何度もね だるなんて無いぞ。」

 

きっと明日は…良い天気で…

 

「そんな…んっ」

 

その発言に対する私の返事を待たず また唇を塞 ぐ。

 

「身体怠いか?」

 

「怠いよ。」

 

「クック…速攻答えるし…。鍛えろよ。」

 

「なにそれ…ん…」

 

チュッ

 

悪 戯に笑い わざと音を立てるキ スをする。何度も何度もこの夜はキ スをした。額と額を合わせて…変だね 二人で笑ってしまっていたね

 

「…なぁ***。」

 

「ん…?」

 

「今度、買い物でも行こうか。」

 

「え?」

 

肘を立て頬杖を付きながら私を見下ろす。

 

「デートらしいデートしてねぇだろ。」

 

「…ホントに…?」

 

「ああ。休み合わせよう。」

 

…嬉しい。

 

こういう…次の休みの予定を二人でする事

 

こんなに嬉しくて自然と笑顔溢 れて

 

「夏物の服とか…見たいな。」

 

「梅雨が明ければすぐ夏だしな。買ってやるよ。」

 

なんかもう…幸せ過ぎて…。

 

「ねぇ流輝さん。」

 

「ん?」

 

彼はずっと私の髪を撫 でてくれていた。その温かい優しさに瞼が重くなりそうだったけれど

 

「流輝さんの誕生日って夏?」

 

「あぁ、夏。」

 

「ぽいな、と思ってた。」

 

「フン。お前は冬?」

 

「うん。」

 

「ぽい、な。」

 

「ねぇ、いつ?7月?8月?」

 

こんな他愛のない会話…だとしても こんなに心温まるひととき

 

「その日は空けておいてね。スッゴいご馳走作る。」

 

微笑み頷き返してくれる彼が愛おしすぎて…。

 

身体に怠 さはあったけれど こんなにも心地良い疲れ

 

それは流輝さんに愛 された事…きっと心から幸せを感じているからだと思った。

 

「喉乾いたろ。冷蔵庫になんか…」

 

「あ、ミネラルウォーターがある。待って、持ってく…」

 

「良い。持ってくるから。」

 

ギシッ

 

彼はベ ッドから降り身につけていたシャツを手に取る。腕を通しながらキッチンに向かうその背を目で追いながら思う。

 

「…。」

 

やっぱり後ろ姿も絵になる…ヌ ードモデルとか本気で出来そう

 

なんて…また芸術品のように彼に魅 取れてしまった時だった。

 

「…?」

 

なんだろ…アザ…?

 

彼の…背というか肩というか

 

正面からは気づかなかった。右肩に…拳大の暗い影を見つける。

 

バサッ

 

「あ…。」

 

だけど目を細めた時 シャツで背は隠れてしまって…。

 

「ん。」

 

「あ、ありがと…」

 

ギシッ

 

「え、キャッ」

 

バフッ

 

タイミングっていうか…背のアザについて問いかけたかったけれど

 

喉を潤 し終えたと同時に 流輝さんに抱 き締められ そして倒 されて

 

「***。」

 

「…なに?」

 

「もう一回…って言ったら…」

 

「え?」

 

「怒るか?」

 

口角を上げた流輝さんが色 気を纏 った瞳で私を見つめる。

 

「…明日仕事だよ。何言ってるの…」

 

そんな目、されたら

 

「願望。」

 

「それを言うなら欲 望でしょ…」

 

「クック…だな。」

 

わざとらしくにっこり笑顔なんて

 

「…バカ…」

 

背のアザを気にしながらも 流された私ってば…。

 

・・・・

 

その夜はそのまま二人重 なるようにして眠ってしまった。

 

温かくて…優しくて…フワフワとして。朝まで抱 き合って。

 

幸せ過ぎて夢みたいだった。ねぇ、流輝さんもそう思うでしょ?

 

本当に夢…みたいに幸せだったよ。

 

 

next

***********************