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「今日も良い天気だなぁ。」
翌日 二日続けてオレ達は***が住んでいるだろう町へ来ていた。
昨日と違いもう行く先に迷うことはない。駅からすぐに彼女が通っているだろう高校行のバスに乗り込む。
「電車だバスだってホント…」
「***に交通費請求しようぜ。」
笑いながらオレ達は途中途中 乗り込む高校生に目を向ける。
オレ達が春休みなんだから彼ら彼女達もそう。だけど制服にボストンバックを抱えているところを見ると 部活だったり補習だったりで通学を余儀なくされているんだと思う。
今思えば彼らに***の事を聞き 彼女を呼び出せば手っ取り早かった。
だけどどういうわけかオレ達はそれをしなくて。
変に大げさな事にしたくなかったし
ここまで来たんだ どうせなら自分達の目で彼女を見つけ出したくて。
「アイツが部活動に励むタイプだったら良いけど。」
だけどそれは剛史の言うとおり 春休みにもかかわらず学校に彼女が居るかどうかによる。
「もしくは補習を受ける程のバカかだな。」
バカでもなんでも良いから居て欲しいな…。
プシュー
「よし。行こう。」
オレ達は生徒達に混ざり バス停を降りる。そして正門をくぐることはせず校舎の外周を歩き始めた。
「さて。何部にいるか。」
「マネージャーしてっかもしれねーよな。だったらサッカー部に野球部…」
「あ、あそこテニスしてる。」
「体育館でやってる部は分からねーよな…。」
こんなに生徒がいる 私服のオレ達が高校の敷地に入るわけにもいかなかった。
歩道からフェンス越しにグラウンドの様子を見るしかない。
『誰だろ?』
それでも何かと生徒達から視線を受けた。そりゃそうだ、見知らぬ同い年くらいの奴らがスポーツに励む自分達を見ていたら何の用だと思うだろう。
だけど一護が居たからか剛史が居たからか もしくはオレ??まぁ誰でも良いけど オレ達に向けられる視線は桃色のものが多かったから
「あの~。」
「え?」
「どこの高校の方ですか?誰か捜してるんですか?」
「あ~…」
体操服姿の黄色い声が掛かったらラッキーな感じ。
「…えと…」
オレと一護、剛史は視線を合わせる。そして『聞いてみるか』と頷き
「あのさ。」
一護は上着のポケットからハガキを取り出した。
「この名前の奴、知ってる?」
差し出したハガキを受け取った二人の女子高生。彼女達は目をパチクリとさせ表に裏にと眺めた。
明らかに子供が書いたその文字にオレ達がただの女捜しではなく思い出探しをしているんだと分かったんだな 協力的だった。
「話をした事はないけど、知ってますよ。」
「マジ?!」
同時に声を上げ詰め寄ったっけ。
彼女達は至近距離詰め寄るオレ達に頬を真っ赤に染め
「でも今日は来てないと思う。チア、春休みは活動しないんだよね?」
「うん。休みのはず。」
チ、チア???
ポニーテールでミニスカート履いて飛び跳ねている彼女を思い浮かべれば
「…ふ~ん。」
どういうわけか一護は機嫌が悪くなり。
「部が休み、か…。」
剛史と目を合わせ さてどうするかと頭を悩ませる。
春休みは活動しないとなると…ハァ、新学期が始まってからになる。そうなるとオレ達は早々2時間かけてこの町には来れなくて。
「マジか…」
がっくりと肩を落とすオレ達
「一つ下の学年だから分からないけど…来てないよね?」
「多分来てないよね…」
彼女達はオレ達の顔色を見ながらハガキを返してきた。
「…そか。」
一護もオレ達同様 ため息交じりだった。今日、もう再会出来ると思っていたんだろう。
だけど彼女達が口々に何度も言っているように
「友達の後輩なの。私達は挨拶程度しか…。」
って事は彼女が何処に住んでいるかなんて知らない。
「そっかぁ…。」
存在は感じたものの***には会えない。行き詰まった。
「ありがとね。」
どうするべきかと…これからどうするかと
彼女達に手を振り 来た道に足先を向けようとしたけれど
「コイツ、どんな奴?」
「は。」
一護は動かないでいた。彼女達に***の今の様子を聞き始めていた。
「俺らさ、すげぇガキの頃のコイツしか知らねーの。だから…自分らの印象で良いよ、今…コイツ、どんな風なのかな。」
「一護…」
一護はもう 会いたくて堪らなかったんだろう。だけど会えない それならせめて10年経った彼女が一体どんな風で
「可愛い子だよね。」
「うん。挨拶もちゃんとするし いっつも笑ってる。可愛い良い子ってイメージ。」
どんな印象の子なのか…知りたくて堪らなかったんだと思う。
「…そうなんだ。」
一護はどこかホッとしたような顔をしていた。まぁ確かにな、すげぇ感じ悪い奴になってたら嫌だもんな。
一護の嬉しそうな横顔と***の現在の様子にオレ達も嬉しくなり
「ありがと!ホントありがと!!」
貴重な情報をくれた彼女達との出会いにホント感謝で 結構何度も頭を下げたわけで。
そんな風だったから…お互い好印象、だったんだよね
「…あのっ」
「え?」
だから彼女達は手を振り背を向けたオレ達を追いかけて来てくれたんだ。そして
「家、確か近いですよ。」
「え。」
二人揃って…距離としたらどれ位だ、徒歩圏内のマンションを指さしたんだ。
え…
「見えます?あそこに建ってる茶色いマンション。あ、右じゃなくて、左のほう。」
「私たちあのマンションの前通って学校来るから。確か…あの子、あのマンションに住んでるはず。」
「ウソ…」
彼女達、マジで天使。***に再会するまで
「マジで?!」
あと…何分。
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