人間は滅びつつある。自らの手によって。
あらゆる領域で自滅行為がおこなわれている。
自動車や合成洗剤による環境汚染もその一つである。
政木和三さんがそのことを著書で指摘している。
環境汚染を起こさないものを作るべきだし、政府はそう指導すべきだと彼はいう。
人類の無知による自殺、自滅は避けようという提言である。
抜粋
洗濯も、昔(と言っても昭和二十七年以前)は、天然の動植物油を材料とした石鹸が用いられていたが、昭和二十八年から石油を材料とした合成洗剤が市販され、現在はほとんどこれが使用されている。
石鹸のカスは自然のサイクルの中で除去されるが、合成洗剤のカスは下水に流したあと、分解されないまま川や海へ注ぎ込まれる。
そしてリン酸は未分解のまま毎年十数万トンも沿岸の海中に流入するために、水が富栄養状態となり、動植物プランクトンが異常に発生して、海はたちまち酸欠状態となり、魚を殺すことになる。
下水処理を行っても、洗剤中の主成分を完全に分解することは不可能であり、特にリン酸塩は二次、三次の処理を要して大変な費用がかかる。
海水に流れ込んだ合成洗剤は、魚類の体内に入り、それを食糧とした人間にはなんらかの害があっても当然のことであろう。
今こそ、合成洗剤の製造および使用を、考え直す必要があるのではないだろうか。
自動車にしろ、合成洗剤にしろ、一般社会人の悪意なき行為が、そのまま人類および地球上の生物を滅亡させる方向に動いているのである。
全文
雨の多くなってきたタイの空
