鏡リュウジ先生による「『悪魔』のタロット講座」レポート | 日本のオラクルカード・タロットカード全集 公式ブログ

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 去る7月25日(土)に開催いたしました、鏡リュウジ先生による「『悪魔』のタロット講座」。おかげさまで盛況のうちに終了いたしました。ここで、当日の様子をレポートさせていただきます。

 タロット占いが当たるのは、使うたびに自分の魂を削り取っているから……そんな衝撃的なお話から始まった今回の講座。
 勿論、鏡先生がそう考えていらっしゃるということではなくて、先生がお会いした方からそんなことを言われた、というエピソードです。しかしながら、このようなオカルト風のうわさ話が未だに語られるほどに、ある種の禍々しさ、おどろおどろしさを持っていることもタロットカードの魅力の一つであると、鏡先生は感じていらっしゃるそうです。

 そして、その禍々しさの象徴として、たとえばホラー映画やドラマなどの中の占いのシーンで使われるカードの代表格は、「死神」「塔」そして「悪魔」であるといえるでしょう。
 今回の講座では、その「悪魔」のカードに焦点を絞った、きわめて専門的な内容となりました。

 まずご紹介いただいたのは、現存する最古のタロットカードには「悪魔」のカードが無いという意外な事実。
 その理由は現在も判明していないそうですが、かつて『悪魔の絵本』とも呼ばれたタロットカードに、当初「悪魔」のカードが存在していなかった……なんともミステリアスです。

 鏡先生には、その後いつから「悪魔」のカードが登場したのか、そしてそれはどのような姿で描かれていたのか、翼と角を持ち、三又のフォークを手にしているという図像学的な悪魔の特徴がタロットカードの中に登場したのはいつ頃かというような内容を語っていただくと共に、プロジェクターには貴重な画像が……。「悪魔」という1枚のカードが、いかに様々なかたちで描かれてきたのかをリアルに感じることができました。
 更には、「黄金の夜明け団」からウェイト・スミス版が誕生し、それを元にした入門書『啓示タロット』が出版されたことで、タロットカードが一般化していった経緯。そして、「心の時代」と呼ばれる20世紀において、ユング心理学の影響を受け、「悪魔」の解釈が日常的、かつ心理的な経験の象徴へと変貌するまでの歴史についてもご説明いただきました。

 また、現代になって登場した〈女性だけが登場するタロットカード〉〈男性だけが登場するタロットカード〉などの図柄もプロジェクターにてご紹介いただき、その個性的な世界感には思わず驚きの声も……。
 
 「悪魔」のカードだけに特化した講座ということで、どのようなお話をお聞かせいただけるのか、私も含めてご参加いただきました皆様も全く想像がつかなかったと思うのですが、1枚のカードを取り上げてもこんなに様々な歴史やそこにまつわる人々の思想などを紐解くことができるということが良く分かりました。
 専門性の高い内容ではありましたが、充実した2時間を過ごしていただけたことと思っております。
 最後に鏡先生は、「東洋における悪魔については、別の視点から考えてみても面白いのではないかと思います」と仰っていましたので、また新たな機会に興味深いお話を伺えるのかも知れません。

 最後になりましたが、貴重なお話をしていただいた鏡先生、そしてお暑い中、ご参加いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。
 尚、当社では10月半ば頃にも、鏡先生の講座を開催する予定となっておりますので、是非ご参加くださいますようお願いいたします。
詳細は決定次第、当社運営ウェブサイト〈チケット予約センター〉にて公開いたします。メールマガジンも発行しておりますので、是非ご登録ください。