【進撃の連合艦隊】昭和8年 96式20mm機銃 | まもちゃんのブログ

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2020年中国と開戦した日本は中国軍航空母艦による首都東京空襲により壊滅する。核兵器が使用され、東京は廃墟と化した。この戦いで、同盟国アメリカは参戦しなかった。日本は見捨てられたのだ。遥達防衛省技術開発本部の面々は核爆弾の直撃時に昭和元年にタイムスリップした。皆、中国、アメリカへの復讐に燃えていた。皆、家族を東京空襲で亡くしたのだ無理も無い話だった。

防衛省技術開発本部がタイムスリップしたのは帝国海軍海軍施設内だった。遥達と帝国海軍軍人が接触すると、たちまち海軍上層部は大騒ぎになった。開発本部長「鳴海 晃」と海軍の連合艦隊司令長官軍令部長とが会談を持ち、技術開発本部と海軍が協力する事となった。

技術開発本部は海軍内でJSDFと呼ばれる事となった。遥と隼人は海軍に配属される事になった。

タイムスリップから7年、日本には変化が出始めていた。大規模な景気刺激策により好景気に湧いた。旧史の製糸業に加えて化学繊維業界、重工業業界、造船業界、電気業界が業績を延ばしている。日本のGDPは年10%位の成長ぶりだった。

96式機銃は旧史ではホチキス製25mm機銃だった。しかし、小型艦艇への搭載、弾倉内弾数の増量、発射速度の向上を考え、エリコン製20mmFFS機関銃をベースに開発された。FFS20mm機関銃は零戦に搭載される20mm機関砲弾より大型で、弾丸の互換性はなかった。しかし、ホチキス製25mm機関銃が弾倉内15発に対して、エリコン製20mm機関銃は弾倉内60発と弾数が多く、実用発射速度は25mm機関銃が130発/分、エリコン製20mm機関銃250発/分以上とエリコン製に有利な点が多かった。JSDFがホチキス製25mm機銃では無く、エリコン製20mm機銃を選んだのは、ホチキス製が大型で追従速度が遅く、旧史の後半、性能の向上したアメリカ軍の艦載機のスピードについて行けなかったためである。

JSDFはホチキス製25mm機銃を参考にしつつ、エリコン製20mm機銃で単装、連装、3連装の3種類を開発した。手動照準型の他、自動照準型(射撃指揮装置自動従動型)の2種類が存在する。ただし、単装は手動照準だけである。

単装機関銃は旧史では大活躍した。小型艦艇にも多く搭載でき、又、旋回を容易に行えるため、大型の連装や3連装より目標追尾には有利だった。ただし、旧史では防御盾を装備しておらず、人員の損失が欠点だった。その為、20mm単装機関銃には防御盾を装備した。丸2計画あたりから駆逐艦にも多数装備される予定だ。又、開戦前の艦隊の改装ラッシュにおいてはこの単装20mm機銃が追加搭載される事になる。

旧史では以外と機関銃用射撃指揮装置が役に立たなかった。敵航空機の速度性能、機動性能が予想を上回ってきてしまったからだ。その為、20mm連装機銃、20mm3連装機銃の旋回性能は旧史の3倍近い性能を求めた。

他に改良された点は必要人員の削減だ。旧史の96式25mm機関銃は連装で5名、3連装で9名もの人員を必要とした。しかし、JSDFは機銃座の旋回、上下動を電動サーボモータのみとした。人員は連装、3連装共で射撃操作手1名+給弾員のみだった。自動照準機関銃座については給弾員のみという徹底ぶりだった。

又、機銃の射撃装置である95式機銃射撃装置については、トランジスタ式の信頼製の高いものが作られた。これらより、旧史より高い撃墜率が期待され、2基から4基の連装又は3連装の20mm機関銃を指揮した。これらは空母を中心に搭載され、この時代のCIWSと言えた。


杉浦綾香と高村篤人は今日もひとときのコーヒーを楽しんでいた。二人の日課となってしまったが、どちらからとも無く、PM3:00にコーヒーで一服するのだ。もちろん、二人共お互いが気になり、このコーヒータイムに二人の間の距離を縮めていたのだ。

だが、二人の接近で、被害を被った女性がいた。須藤 麻子だ。彼女は喪女というやつだ。二人意外とはあまり他の職員とは親交が無い。仕事熱心だが、あまり人と話そうとしないのだ。何処か人を寄せ付けない空気をまとっていた。

綾香と篤人だけは彼女を気にしていたのだが、最近二人が接近しているため、麻子への関心が落ちてしまっているのだ。二人共それは気になっていたのだが、二人もやはり、人間だ、ついつい二人の世界に入っていまって、麻子の事を忘れてします。そもそも麻子の事を覚えている事はとても難しいのだ。

「なあ、最近麻子ちゃん奇麗になってないか?」

「あら、今頃気付いたの?麻子ちゃんもお年頃よ。決まっているじゃ無い。」

「決まっているって?」

「決まっているでしょ。好きな人が出来たのよ。」

「誰だい?」

「衛兵さんよ。JSDFの衛兵さんイケメンでしょ。麻子ちゃん、お気に入りみたい。先方もまんざらでもなさそうよ。最近、二人で良く話している処を良く見かけるわ。」

「そうか、麻子ちゃんが。。でも、女の子って恋をすると奇麗になるって、本当なんだね。最近妙に奇麗になった様な気がして、そう目が奇麗なんだ。」

「そうなのよ。あの子、磨けば光るのに、あまりおしゃれに気を回さないし、いつもボーっとして、目に輝きが無かったのよ。でも最近、目、きらきらよ。すごく可愛くなったわ。」

「そうか、なんか残念なような。」

「なんで残念なのよ!」

「いやっ、なんか、ボーっとしている麻子ちゃんが何か気になっていて、実はJSDFの男性職員もかなりの人数が麻子ちゃんの事気になっていたらしいんだ。」

「そうなの?私、何故みんな麻子ちゃんの事無視するんだろうって、不思議だったのよ。」

「いや、無視したわけじゃ無い見たいんだ。気にはなっているけど、なんかあの子声をかけにくいオーラがあるんだ。それに、皆、麻子ちゃんが可愛くなるだろう事は知っていたんだ。でも、何処か抜け駆けは行けないみたいな空気があったそうなんだ。あの子、意外ともてていたんだぞ。」

「そうなの?」

危なかった。綾香は密かに思った。篤人が朴念仁で良かった。綾子も麻子が磨けば光るのは知っていた。いや、かなり輝く。だから、ここの女性陣も麻子にはあまり声をかけない。ライバルを作っても仕方無いから。麻子は隠れモテだった。やはり、男性陣も麻子の本質に気付いていたんだ。
危ない、危ない。麻子ちゃんごめん。私も皆と同じなの、篤人さんは渡せないのよ。あなたが篤人さんの事を好きなのは知っていたから。少し自己嫌悪に陥るったけど、少し、ほっとした。

「そうか、あの麻子ちゃんが目覚めたか。確かにあの衛兵さんイケメンだから、麻子ちゃんとお似合いだわ。」

「そうだね。彼女は何かほっておけない様な処があるから、すごく安心したよ。」

本当、女の友情で駄目だわ。私って悪い女。麻子ちゃんの事を気にしている様な事をしていたけど、本当は篤人さんと接近しない様にすごい、プレッシャーかけていた。

「私って。」

「どうしたんだ?」

「いや、何でも無い。」

綾香は麻子が衛兵さんと付き合い始めた事で、安心と自己嫌悪を持った。

ごめんね。麻子ちゃん。私だって、篤人さんの事好きだから。友達でも、これだけは仕方無いのよ。そう、自分に言い聞かせた。それに、麻子ちゃんには彼氏できたんだから。綾子は自分に言い聞かせた。

「本当、麻子ちゃん、奇麗になったね。」

「本当だ、前とは全然雰囲気が違う。良かった。」

「篤人さん、実は麻子ちゃんの事すきだったんじゃ?」

「いや、私はただ、麻子ちゃんが妹みたいに思えて、私の妹が麻子ちゃんみたいな娘だったから。それに。」

「それに、何?」

「いや、何でもないんだ。」

ちぃ。綾香は心の中で舌打ちした。どさくさに紛れて告白してくれたらという淡い思いがあったのだが。いや、こんな告白はやっぱりやだ。

「あれ?」

「どうしたんだ。」

「私、麻子ちゃんに追い抜かれている。」

「はは、そういえばそうだね。」

いや、篤人さんがなかなかはっきりしないからでしょ!心の中で突っ込む。

「もう。」

「あれ、綾香、なんか昔の麻子ちゃんみたいになったぞ。」

「えー。」

「いや、冗談だよ。」

綾香はテンションが上がった。何故なら、今、篤人は綾香の事を呼び捨てにした。親近感が増したんだ。ちょっと嬉しくなった。

これで1ヶ月はテンションキープできるな。

何処かで聞いた様な話しだ。