【進撃の連合艦隊】昭和2年度艦艇補充計画 | まもちゃんのブログ

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2020年中国と開戦した日本は中国軍航空母艦による首都東京空襲により壊滅する。核兵器が使用され、東京は廃墟とかした。この戦いで、同盟国アメリカは参戦しなかった。日本は見捨てられたのだ。遥達防衛省技術開発本部の面々は核爆弾の直撃時に昭和元年にタイムスリップした。皆、中国、アメリカへの復讐に燃えていた。皆の家族は東京空襲で亡くなったのだ無理も無い話だった。

防衛省技術開発本部がタイムスリップしたのは帝国海軍海軍施設内だった。遥達と帝国海軍軍人が接触すると、たちまち海軍上層部は大騒ぎになった。開発本部長「鳴海 晃」と海軍の連合艦隊司令長官「加藤 寛治」、軍令部長「鈴木 貫太郎」とが会談を持ち、技術開発本部と海軍が協力する事となった。技術本部の最初の大仕事はこの年に計画される昭和2年度艦艇補充計画だった。この計画はロンドン軍縮条約に従い、建造される艦艇達だった。

遠藤 遥と本田 隼人はいつもの様に昼食を一緒にとっていた。2人は同期で、未だ開発本部に配属されたばかりだった。

「鳴海本部長は明日総理大臣の若槻 禮次郞と会うそうだ。」

「いよいよ始まるのね。でも大丈夫かしらこの事が原因で枢密院にケチを付けられるのでしょう?」

「随分勉強したね。確かに、この事から艦隊派と条約派に別れ、遂には統帥権干犯問題にまでになる。この後、統帥権を持ち出して陸軍が中国でかってな事を始めてしまう。平成では自衛隊の統帥権は総理大臣にある。この時代も政治を行う、総理大臣へ統帥権を与えないと同じ歴史となる。

実は俺も最近勉強したんだが、この国を戦争へ導いたのは軍でも政治家でない。それは国民である様な気がする。国民が右傾化して日本をおかしくしたんだ。」

「確かに日本人は皆が右を向けば、右を向く国民性だから、危険ね。昔、いや、未来のジョークに<赤信号みんなで渡れば怖く無い>というのがあったけで、あれは本当に辛辣なジョークなのかもしれない。私は今気付いたのだけれど。。。」

「ああ、確かに、俺達はあまり歴史を学んでこなかった様な気がするよ。今の日本と中国の状態は平成の日中関係と同じ様だ。まさに歴史は繰り返すだな。」

「同じ過ちを犯してほしくないわ。」

「そうだな。出来れば、戦わずして勝ちたい。」

「戦わずして勝つ?」

「そうだよ。元々軍隊は戦争抑止の為にあるといってもいい。十分な戦力があれば、中国ともアメリカもむこうから逃戦するよ。」

「そうね。それが一番ね。」

「だが、その為には先ず、艦艇補充計画を成功させなければね。」

「ええ。」

昭和2年度艦艇補充計画の目玉はやはり空母「龍譲」と高雄級重巡4隻だった。

空母「龍譲」は当初10000t未満の空母として計画されるが、後に変更される。排水量10000t未満の空母の保有は条約外だったが、ロンドン軍縮会議で10000t未満の空母も80000万tの制限内に入った為だ。10000tの制限に意味が無くなった「龍譲」相次ぐ設計変更で、極端なトップヘビーの不安定な艦と旧史ではなっていた。だが、今回、条約が見えているわけだから、最初から10000t以上の空母建造を目指す。

防衛省技術開発本部の出した結論は

基準排水量12000tの軽空母の建造だった。
緒元は
全長205.5m、水線幅18m、飛行甲板195mx23m、エレベータ2基、艦載機約30機。
武装12.7cm45口径連装高角砲4基、20mm連装機銃x4基
主機艦本式ギヤードタービン2基2軸推進65000馬力、30ノット

この艦はF1号艦として提案され、採用された。

次の目玉は高雄級重巡洋艦だが、こちらは人員不足と経験不足で提案は出来なかった。
唯一採用されたのが、96式20mm連装機関銃だ。これは本来、25mm機関銃だったところを将来の零式艦上戦闘機等と同じエリコン式FFL機関銃(ドラム式100発)と銃弾をを共用する為だった。旧史では補給と大量生産に配慮しである。

技術開発本部が力を入れたは重巡洋艦では無く駆逐艦だった。この計画では15隻の吹雪型駆逐艦が建造されるが、これには

三年式12.7cm50口径連装砲×3基、「綾波」以降は45口径89式12.7cm連装高角砲
12.7mm連装機関銃x2基
61cm3連装魚雷発射管3基

旧史では駆逐艦の対空能力はほぼ無いに等しかった。しかし、吹雪級特II型(綾波)以降は主砲を高角砲とした。高角砲といっても対艦攻撃可能で、戦後、何故この対空砲を駆逐艦の主砲としなかったか論議があった位だ。

この艦はF2号艦、F3号艦として採用された。