ぼくはね、お母さんに触られるのが大好き。
だって、とっても気持ちいいんだもん。
あんよでしょ。 おなかでしょ。 おしりでしょ。 おむねでしょ。 おててでしょ
いっぱい触ってほしいなあ。
お母さんのおなかから出てくる時、ちょっとヌルヌルしたお水と一緒に出てきたでしょ。
だから、とっても狭い道を通り抜けられたんだよ。
実はね、ギュ―とされるのは気持ちいいんだよ。
もちろん強すぎたら痛いけどね。
お母さんもきっとそうでしょ。 マッサージっていうんでしょ。
身体をさすってもらうこと。
ぼくにもあれは気持ちいい。
マッサージしてもらうとね、頭の中で、何かが動くんだよ。
バチバチって。
今はね、バチバチがいっぱい欲しいんだ。
だから、これからずっと、ぼくの身体をさすりながら、ぼくに話しかけてくれないかなあ。
お母さんがかけてくれる言葉は何でも好きだけど、ぼくが幸せな気分になれるのはね、たとえば、ぼくの身体をマッサージしながら、
「ゆう君はかしこいねえ」
「ゆう君はかっこいいね」
「ゆう君のあんよ強くなーれ」
「ゆう君のおなか丈夫になーれ」
ってほめたり励ましてもらうことなんだ。
そしたらね、ぼく、本当に強くて賢くてカッコよくなれるような気がするんだ。
それにね。 いろんなお話も好きなの。
「アッ。 今鳥さんが鳴いたね」
「ほら見て、お花きれいでしょう」
「おなかすいたかな。 ミルク飲みたいね」
「さあ、晩ごはん作るね」
「お父さん帰ってきたよ。 お帰りなさ~い」
あー、やっぱりお母さんの声は最高!