実は初フライトでとんだハプニングもありました。
アンカレッジから積み込んだ私の荷物がコペンハーゲンで降ろされずに、
飛行機の最終目的地であるハンブルグまで飛んでいってしまったのです。
いつまでたっても出てこない私の荷物。
仕方なく荷物なしで、他のクルーと一緒にステイ先のホテルに行きました。
クルー専用の送迎バスが待っていたからです。
初フライトにして、ホテルに着いても着替えも洗面道具も化粧品もない
という状態!本当に困りました。
でも、この時一緒に飛んだ先輩スチュワーデスが、初フライトでよもやのトラブルに
慌てている私に、とても親切にしてくれたのです。
着替えの私服はその先輩が貸してくれ、とりあえず必要なものを揃えに
一緒に買い物に行ってくれて。
なにせ初めてのコペンハーゲン、西も東もわかりませんし、本当に心強かったです。
訓練中に太ったマザーユウキ。当時健康優良児並みに真ん丸な顔をした私と、
女優さんみたいに細くて素敵なその先輩スチュワーデスが、
コペンハーゲンの古城の前で並んで撮った写真があります。
忘れられないこの先輩とは、さらに後日談がありました。
訓練時代、教官として私達の指導に来ていたアシスタントパーサー。
「君は一番前でよく食べていたなあ」
と言われたそのアシスタントパーサーに、さらに言われたのです。
「僕の家に君の写真があるよ」
ハンサムで私もちょっと憧れたそのアシスタントパーサー。
「えー、どうして???」
なんと彼、その先輩と結婚していたのです。
1000人以上いるクルーの中で、私が関わった二人が夫婦になっていたなんて!
どちらも素敵な人でしたから、とっても嬉しかったことを覚えています。
コペンハーゲンには1週間ほどの滞在。
荷物は、2日ほどして私の手元に無事戻ってきました。ホッ!

右端が素敵な先輩。私の荷物は勝手にハンブルグまで行ってしまいましたから、この時は制服のコート。真ん中の渡哲也さん風の男性はパーサー。そう言えば渡哲也さん、フライトで乗って来られたことがありましたっけ。テレビそのままのシャイな感じが素敵な人でしたよ。