ズッコケ三人組シリーズは多くの人が子供のときに読んだことがあるだろう。この「株式会社」は自分が起業を志すきっかけになった「出会い」の一冊である。大人になって改めて読んでみても、商売とは何かという基本的なことを十二分に伝えてくれる名著であることを再確認した。

三人は港に釣りに行き、そこでお弁当や飲み物を売ったら儲けるんじゃないかということを思いつく。港には1,000~2,000人がいて、近くにはお店がないということを認識している。マーケットの発見である。

お弁当と飲み物を仕入れようとするが、三人の小遣いでは十分ではない。そこで事業を株式会社化し、クラスメイトから出資してもらうことを思いつく。スタートアップの資金調達そのものである。「株主」は最初は懐疑的ながら、事業がうまく行っているとわかると途端に我先にと出資してこようとする。株式投資の人間心理にも通じている。

商売は最初うまく行くが、カップラーメンの利益率が良くないことに気がつく。家がラーメン屋のクラスメイトが登場し、原価の低いインスタントラーメンから美味しいラーメンを作る。誰でも手に入れられるカップラーメンでは利益は限られるが、他にはない強みを活かせばより高い利益率を上げることができるのだ。

会社は設立後1ヶ月で4万円の出資から約5.8万円の利益を出し解散する。1ヶ月のROEが130%という脅威のパフォーマンスである。(ただし、人件費が考慮されていない。)実際にここまでうまくいくことはほとんどないだろうが、「お金がお金を殖やす」プロセスを学ぶには十分である。

初めてこの本を読んだ時の興奮は今でも忘れることができない。改めて読んでみて、その興奮は一層増した。事業をしたいと思うなら、下手にMBAなんかをかじるよりまずはこの本を読むことをお勧めする。

うわさのズッコケ株式会社 (ポプラ社文庫)/ポプラ社

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建設労働者が不足し、政府では移民の導入も含めて労働力の確保を検討し始めている。東北復興需要やアベノミクス、オリンピック関連需要で人手が足りなくなっていると言われているが本当にそうなのだろうか。

建設業の労働者数は1997年の685万人から2012年には503万人まで減少している。特に若者の建設業への就労が少ない。
建設業労働者数

建設業年齢構成

これは当然と言えば当然である。若い人の感覚で言えば、多少賃金が高くても体力的にきつくて危険が伴う建設業に就くよりは、コンビニで深夜バイトをした方が、絶対収入はともかく安全・快適に仕事ができる。

移民についても同様である。街のコンビニに行けば分かるが、バイトの店員はもはやほとんど中国からの(自称)留学生ばかりである。日本語もかなり流暢に話せる。彼らとて、無理に建設業に就く必要はないのだ。

建設業はもはや、危険・きつい・汚いの3Kが揃い、誰も好き好んで働こうと思わない。政府が無理に若者や移民をあてがおうとするほうが押し付けがましいという他ない。

しかし、ここにこそイノベーションのチャンスが潜んでいる。現場作業をロボットにしてしまえばいいのだ。ロボットを使えば遠隔操作で安全なところから快適に仕事をすることができる。一人当たりの生産性が上がれば、ロボット操縦者の賃金も上がり、たちまち人気業種になるだろう。

イノベーションが起こり、人の手がロボットに置き換えられると失業が発生し、大きな反発が起きるのが通例である。しかし、労働者が不足している現状に置いてはその心配はない。さらに、日本はロボット大国である。ここで建設業にイノベーションを起こし、日本の得意分野としてグローバルに対抗できる力をつけようではないか。ピンチはチャンスだ。
20世紀前半を生きた偉大な経済学者であるケインズとシュンペーターの理論について解説したもの。比較することでそれぞれの理論のエッセンスが抽出されていて読みやすい。特に、シュンペーターの理論には興味が湧いた。自分自身著者の授業を受けていたはずなのだが、なぜ当時この面白さに気づけなかったのだろうか。それは授業に出ていなかったからである。

ケインズ:静態的、貨幣経済、マクロ

ケインズの経済学は静態的な考え方がもとになっている。不況を脱するためには有効需要の創出が必要であり、そのためには金利を引き下げ、公共事業を活発化させることによって消費性向の高い労働者の消費を増やすことが重要としている。そこでコントロールするべきは貨幣の流通量である。現在のいわゆるマクロ経済学の基礎となっていて、アベノミクスとはまさにケインズが唱えていることを実現しようとしているものである。

シュンペーター:動態的、実体経済、ミクロ

ケインズの静態的な理論に対し、シュンペーターのそれは動態的である。経済発展の根底にあるのはイノベーションである。それは「より儲けたい」(供給側)「よりよい生活がしたい」(需要側)という人間の根底にある欲求が基礎となっている。経済発展はイノベーションによって実体経済の生産性が上がることによってのみ達成される。すなわち、経済はあくまでミクロの活動の積み上げによってのみ動かされるという視点である。資本主義の本質を突いた考え方と言えるだろう。

いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ―有効需要とイノベーションの経済学/ダイヤモンド社

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経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫)/岩波書店

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たまたま見つけた投資に関するおもしろいサイトがあったので、備忘も兼ねて紹介しておくことにする。


■株の勉強&種銭貯めてGO!GO!GO!ペペトシの株式投資ブログ

ペペトシさんは米国株に投資する個人投資家ということ。内容は散逸的で大雑把な印象があるが、「儲かる投資」や個別企業の分析について本質を突いたエントリーが多い。世間一般に言われている「常識」に惑わされない見識を持っているようで、年率120%の投資実績というのも頷ける。他のブログのリンク集も内容の濃いもので、本当によく研究していると思う。

■わたしのインデックス(my INDEX)

インデックス投資の考え方を教えてくれるサイト。NPO インデックス投資協会が運営している。代表の加藤優一さんは、過去に自分が投資に失敗した経験から「失敗しない投資」方法としてインデックス投資を推奨している。「投資の勉強」を読むだけでも投資の基本が学べて非常に役に立つし、そのままインデックス投信を検索することもできる。『投資の勉強本』にあるブックリストも秀逸。


かたやアウトロー、かたや投資の常識をとことん追究したサイトだが、そこらの経済評論家やフィナンシャルプランナーが話す内容とは比べ物にならない程ためになる。引き続きチェックしていきたい。
パーキンソンの法則は官僚組織がいかに愚かで無駄な時間と労力を費やしているかを明らかにしたものである。欧米ではベストセラーになっていが、日本ではあまり知られていない。しかし、その内容は日本の特にホワイトカラーが今読まなければならない本である。

組織に属する人間は自分の地位を上げるため、自分の仕事をまるまる誰かに任せることはせず、複数の部下に分担させる。そうすることにより、本当にやるべき仕事に関係なく組織の人員と無駄な仕事が増えるのである。

会議で何かを決定するときは中間派の票が重要になる。中間派は自分の意見をもたず、都合のいいと思われる方に流れる。会議にちょうどいい人数は5人でである。

決議が必要な事柄に関し、金額が大きすぎると実感がなく関心は失われる。内容が難しければ尚更だ。一方内容、金額ともに身近であるほど議論は延々と続く。100億円の原子炉よりも10万円の自転車置き場に議論が費やされるのである。

求人は幅広く募集するだけ応募が多すぎて時間の無駄である。欲しい人材は可能な限り能力を限定したほうがいい。

立派な建築物が完成する頃には、その繁栄は末期である。

上役は自分より劣った人間を部下にするため、組織はどんどん愚かになっていく。唯一の解決策は、馬鹿な振りをした利口者が権力を取った時点で豹変することである。

今いる組織を振り返っても、これにあてはまることがあるだろう。この本では解決策は示されていない。知った上でそのまま飲まれるか、解決策を出すかは自分次第である。