特に意識をしたわけではないが

職層が変わるタイミングで車を乗り換えてきた

 

子供の頃から車は大好きだった

18で免許を取ってから

何台もの車を乗り継いできたが

ドイツから帰国して購入した

スズキ・カプチーノで

自動車の運転の本当の楽しさを知った

カプチーノは軽自動車ではあったが

本格的なスポーツカーで

低いドライビングポジションに

重たいステアリングや硬い足回り

ターボによる加速、そして

初めてのオープンカーの爽快感は

想像の域を越えていた

途中、ラジエターやターボチャージャーの交換など

修理代も馬鹿にならなかったが

一番困ったのは、雨漏りだった

 

中学校務めの最後の年

ある生徒のトラブルで、ストレスがマックスになり

ストレス発散のため散財した時があった

スーツや靴、あらゆるものを買い換えたりしたが

最後に車も買い換えようと思った

雨漏りのことは気になったが

オープンカーに完全に魅せられていたので

次に買うのはBMW と決めていた

ちょっとネットで検索すると

どんどん情報が入ってくる

中に、希望通りの一台が見つかり

所沢まで見に行った

27万円、という値段の通り

外見はかなりボロボロだったが

ドイツ社のエンジンの強さはよく知っていたので

即決して、悪いところは直してもらうことにした

 

カプチーノには5年乗った

Z3 に乗り始めた翌年の春、東日本大震災があり

ガソリンがなかなか手に入らない時期があった

その年の4月から

私は小学校の副校長になった

 

副校長は2校7年間務めたが

その間、ずっとBMW Z3に乗っていた

ツーシーターのオープンカーには

荷物を乗せるスペースはほとんどない

ゴルフバッグは、何とか一つはトランクに入ったが

二人でいくときは助手席の人に

抱えて乗ってもらわなければならなかった

 

この車は、カプチーノに比べると

ゆったり走るツーリングカーで

スポーツカーを操っている感覚はほとんどなかったが

ロードスターならではのロンクノーズの

運転席側に載せられたエンジンと

運転者の体重を合わせると

重心がほぼセンターに来るように設計されていて

カーブでの走りはそれまでに味わったことのない

スムーズで気持ちの良いものだった

 

それが、副校長最後の年を迎える正月に

突如、エンジントラブルが発生した

走っていると、大海原を進む船のように

上下に激しくノッキングを起こし

まともに走ることができなくなってしまった

 

とりあえず修理工場まで何とか運んで

見積もりを出してもらうと

最低でも10数万、それでも直るかどうかわからない

と言われた

 

その時、修理をするか買い替えるのか本当に悩んだ

もし乗り換えるとしたら、

イタリア車には乗ったことがなかったので

今度はルパン三世も乗っていた

フィアットの500がいいかな

イタリア車は故障しやすいなど、不安もあったが

近所の中古車屋でいいものがあれば乗り換えようと思った

 

そこで、確かここにあると思った中古車屋に行ってみたが

あいにくその時は在庫がなく、

おそらく今回はそういうタイミングではないのだなと判断して

修理に賭けることにした

幸い、10万円ちょっとで修理が完了し

普通に走ることができるようになった

 

そのままZ3に乗っていたが

その時ネット検索したせいで、たまにカーセンサーから

お知らせ情報が入ってくるようになった

フィアットを調べたためか、ある日

アルファロメオの情報が入ってきた

 

私の中では、アルファロメオはイタリア車の代表であると同時に

故障しやすい車の代表でもあるという印象が強かった

フェラーリには乗ってみたいと思ったこともあるが

アルファロメオに乗ることはまったく考えになかった

しかし、送られてきたアルファ156という車は

それまで見ていたアルファロメオとはだいぶ異なり

かっこよく見えた

いろいろと調べてみると、156は

近年のアルファロメオ社の大ヒット作で

この車から、故障がほとんどなくなったとも言われていた

 

それからもいろいろ考えて

翌年からいよいよ校長にもなるので

見た目も派手な、雨漏りのひどいオープンカーは

乗り換え時だと判断した

 

Z3を購入するときの条件に

左Hのマニュアル車というのがあった

ドイツではもちろん左Hの車に乗っていたわけで

ドイツ車なら、左が自然だと思ったからだ

しかし、この左Hというのは、日本では不便で

危険も伴うものであった

特に右折時の、対向車が見えにくいという欠点があった

何度か右折時にヒヤリとしたこともあったが

妻の50歳の誕生日の日に

強引に横道から飛び出してきた車に

右フロントがかすってしまったことがあった

その時も、相手の車にぶつかっているという感覚はなかったが

相手の車には深さ1ミリほどのかすり傷が残っていた

 

そこで、今度は右Hのマニュアル車を探し

夏休み中に、2件の中古車屋に行って見てきて

条件と、値段的にも良かったことと

BMWの下取り価格がこちらの希望通りだったので

今の車を購入することにした

 

こうして、副校長最後の年の夏に

現在所有のアルファロメオ アルファ156 2.0 JTSに

乗り始めた

 

 

この車は4ドア・セダンで

前のZ3と比べると、落ち着いた車だ

しかし、色はアルファ・レッドという赤で

アルファロメオ独特のエンブレムもあって

かなり目立つ顔をしている

エンジンは直噴の4気筒で、アルファの代名詞

V6ではなかったが

とても吹き上がりもよく

軽やかなハンドリングで、運転するたびに

快感を味わうことができる

所有して今年で8年目、初年度登録から20年目になったが

今でもエンジンは快調だ

 

昨年の夏、車検の時に

V6の156が販売店に出ていて、本気で乗り換えを考えていたら

悩んでいるうちにすべて売れてしまった

そろそろタイミングベルトの交換時期なので

それにはかなりの修理費がかかる

車検を通すか、買い替えるか悩んだが

結局、普通に車検を通して、

タイミングベルト交換はもう一回後に見送ることにした

 

現在の走りに全く不満はないが

来年の夏には次の車検が来る

タイミングベルトは切れたら動かなくなるという

ちょっと調べたら、近くに条件にあった

フィアット500ツインエアSという車が見つかった

 

修理か、買い替えか

悩みどころだ