前回と続いてになりますが、貴志祐介さんの作品の中で、「青の炎」に次いで好きなのは「天使の囀り」です。ちょっとグロテスクなシーンが多くて、まず映画化は不可能ではなかろうかと思いますが・・・。
新聞社の企画でアマゾン探検に行ったチームのメンバーが突然、不審な自殺を遂げ始めます。共通して言えることは、とにかく自殺の方法が変わっていること、自殺の前に人格が変わること(暗い人が明るくなる等)、そして頭の中で天使が囀っていると言い出すことです。これだけで、その原因を突き止めろというのも非常に難しい話ですが、アマゾン探検隊のメンバーの恋人だったヒロイン(お医者さんです)は、非常に偏屈ですが、優秀な生物学者(こちらは男性です)とタッグを組んで、果敢に謎に挑戦します。
何が原因か、わかるまでは、早く知りたくて、読むのを辞められません。原因がわかってからは、どうなってしまうのか、知りたくで読むのを辞められません。いずれにしても辞められません。
何が原因か、わかるまでは、早く知りたくて、読むのを辞められません。原因がわかってからは、どうなってしまうのか、知りたくで読むのを辞められません。いずれにしても辞められません。
ちなみにこの相棒の偏屈な生物学者、ロジックが服を着て歩いているような感じですが、非常にいい味を出しています。科研費を取るのに苦労している点もリアリティがあります。最後には、ロジックで感情を押さえ込んでいた、それ故に、悲劇が起こりますが・・・。
私は学生時代、生物を専攻していましたので、彼のやる調査、実験等について、懐かしさを感じながら読みました。それでも、そこから導かれる結論(原因)には驚きました。そんなことってあるのだろうか、という感じです。主人公の女性の方も、作中では驚いています。でも確かにあってもおかしくはない。
戦後、日本では危機は低下したということで、大学での研究も停滞気味の分野に関連するのですが、それでよいのかという疑問も湧いてきます。ちょっとこの本の話とは違いますが、最近、絶滅した伝染病が、形を変えて復活するという話も聞きますし。
戦後、日本では危機は低下したということで、大学での研究も停滞気味の分野に関連するのですが、それでよいのかという疑問も湧いてきます。ちょっとこの本の話とは違いますが、最近、絶滅した伝染病が、形を変えて復活するという話も聞きますし。
さて、最後のクライマックスでは二人の活躍で、被害は「最小限」に抑えられます。何を持って最小限かというと、更なる被害の拡大を防いだという点で、最小限という意味です。決してハッピーエンドとは言いがたいでしょう。
ただ、本当の最後の最後で、読者は再び、これは「あり」だろうかという問をつきつけられます。ある人を救うためには、再び悪夢が蘇る可能性がある手段(広く社会から見れば危険な手段)は許されるのだろうか?という話です。私は、この小説のストーリー上は、ありだと思いました。最適な方法かと思いました。私が主人公でも、おそらく同じ事をするのではないでしょうか。ただ、それが常態になるとおそらく危険でしょう。
色々と面白い小説ですので、まだ読まれていないかたはご一読下さい。ただ、ミミズ等が嫌いな人や、食事の前には読まない方が良いかもしれません。お気をつけて。
- 天使の囀り/角川書店

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