いわゆるライトノベルというジャンルの本ですね。今まであまり、このジャンルの本は読んでいなかったのですが、帯に「本屋大賞 2012年 文庫初ノミネート」という文字が、ひときわ大きく書いてあるのにひかれました。更に「本の雑誌」が選ぶ2011年文庫ベストテン第1位とのこと・・・これは読まなくてはと思わせる何かがありますね。やはり帯の力は強い・・・。
ライトノベルらしく、登場人物の設定は、かなり漫画っぽく、おもしろいです。
北鎌倉にお店を構えるビブリア古書堂の若き女店主、篠川栞子(しのかわ しおりこ)さんは、非常に美人ですが、内気で人と話すことが大の苦手、苦手を通りこして不可能な感じです。
ただ、本に関することになると、とたんに饒舌になり、とどまるところを知りません。なぜか彼女のところには、多くの本に関する謎が持ち込まれますが、その素晴らしい本に関する知識と、観察力、推理力で、たちどころに謎を解決してしまいます。
その相方となるのが、五浦大輔(ごうら だいすけ)さんです。柔道の段位を持つ巨体の持ち主ですが、大学卒業後、就職に失敗したこともあり、ひょんなことからビブリア古書堂に勤めることになります。
彼は、「本は好きだけど、読書は苦手」という変わった特徴を持っており、本を手にとっても、読み始めると気分が悪くなり、最後まで読み通すことは決して出来ません。これは、彼の年少時のトラウマに起因するのですが、それが何かは、実際に読んでみてのお楽しみかと。
いずれにしても、彼は自分では本が読めないので、「本の話を聞く」のが大好き。この点が、「本の話を始めたらとまらない」ため多くの人から敬遠されがちな栞子さんと、相補的補完関係にあるため、二人の間は、なかなかよい関係で進んでいます。
ちなみにこの「大輔(だいすけ)」という名前は、読書好きだった彼の祖母が、夏目漱石の「それから」の主人公 長井「代助」からとったらしいので、定職につけないのも、さもありなんという感じではありますね・・・。今後悲劇的な人生を歩まないように、祈ってあげたい気分です。
他にも様々な得意なキャラクターの人物が登場しますが、上記の2人を中心とした本に関する謎とき短編で、このシリーズは構成されています。いろんな初版本や、業界では高額の値がつく本にまつわる話が多いので、本の好きな人であれば、かなり楽しめるのではないでしょうか。私も非常に面白く読ませてもらい、短時間で一気に読んでしまいました。
一応、読みきりの形になっているので、何巻から読んでも、それなりに楽しめると思いますが、脇役的な登場人物は、共通しているので、最初の巻から読んだほうが、「これだれ?」という思いにとらわれなくてよいかと思います。
また、全編を通じて次第に明らかになってくるテーマがこの作品にはあります。「栞子さんの家族の謎」です。栞子さんには、なにやら不思議な家族がいるようで・・・この謎が明らかになるまでは、今後も継続的に読み続けるしかないかなと思います。
余談ですが、ビブリオ古書堂のある、「北鎌倉」という場所、いいですよね。円覚寺、建長寺、鎌倉の名刹が多く、なんだか古本屋のイメージとぴったりの感じで。実際には、古本屋はあるのかないのか・・・。
Googleマップで検索する限り、古本屋は鎌倉駅の近くに密集していて、北鎌倉駅周辺にはないですね・・・。
本好きや、古書を題材とした本は、多くあると思うのですが、同様のミステリ風の本として、私が気に入っているのは、米国のミステリ作家ジョン・ダニングの本です。
私が最初に読んだのは「死の蔵書」(ハヤカワ文庫)という作品ですが、他にも「幻の特装本」、「失われし書庫」、「災いの古書」等、同様に本を題材としたミステリを多く書いています。
「死の蔵書」では、古本のせどりを生業とする男が殺されます。その男は、その日一日を暮らすにも事欠くような、貧乏の中で暮らしていたはずなのですが、残された彼の蔵書には莫大な価値が・・・。
この謎に挑むのは、本好きで、古書に関しては無類の知識を誇るデンヴァー警察殺人課巡査部長のクリフです。どんな古書がいくらぐらいの価値があるといった話が多く出てきて、謎解きのキーにもなるので、その手の話が好きな人には面白いと思います。
この作者ダニングという人は、1975年ごろ、作家としてデビューしたらしいですが、その後、一旦、作家家業に見切りをつけ、10年くらい古書稀覯本専門の書店を経営していたそうです。(※1)
道理で、作中に業界の人しか知らないような知識が自在に使われているわけですね・・・。
(※1) 「死の蔵書」 (ジョン・ダニング/ハヤカワ文庫)
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