2週連続の発表会。
今回は最近通うようになったお教室(指を痛めたので、負担のかからない奏法を学んでいます)の発表会でした。
それまでに聴きに行かせて頂いたことが何度かあって、初出演だけど昔から居るような感じがしました。
居心地が良かったり、自然と入って馴染めたりする場所や人とは、予知能力ではないですが、「私、ここに行くかも」「この人といつか関わることになりそう」という勘が働き、不思議と導かれるようにして縁があるものです。

2つの発表会の間に、凄く変化がありました。

先月の発表会では、2曲演奏も慣れておらず、ポンセの曲の暗譜がまだ不安で、ミスしないで弾こうという意識が強かったですが、「本番、暗譜飛ばずに弾けた」と安堵したのか、その後の練習では、少し曲と一体化できるようになって来たのです。
頭で弾かずに心で弾くのは本当に楽しい。それには、暗譜がしっかりできて、目を閉じても弾けないと難しい。雑念が無くなって、煩悩を捨てて、無意識でも弾けるようになれば、もっと一体化できるのですが。

もう一つ、更に大きな影響を与えられる出来事がありました。
発表会前日、たまたまYouTubeでヴァイオリニストHIMARI(吉村妃鞠)さんの動画を見たのです。世界から賞賛されている神童。
演奏聴いて、本当の音楽ってこういうことなんだな、と思いました。

私は音楽をするのに、何故失敗を恐れたり、心配をしているのだろう?それよりも大切なことがあるのに。
作品の世界を作ること、表現すること、伝えること。
私がやりたいのは芸術なんだ。
ピアノを弾くんじゃなくて、音楽をやろう。

当日の練習は30分程でしたが、調子が上がって来たのを感じました。


発表会は教会で行なわれました。

バッハが演奏されると、より神聖な趣きに。
私は俗っぽい恋愛ものの曲を弾くので場違いかな?キョロキョロけど、最後は教会で結婚式をするシーンだから何とか綺麗に収まるか(笑)

自分の部が始まる前の休憩時間に、サプライズで先生が演奏されました。
エオリアンハープを聴いているとオーロラのような光が見えて、螺旋を描きながら光の柱となって天へ昇って行きます。賛美歌を歌う時も、そんな風だったなと思い起こされました(クリスチャン系の学校出身です)。
音楽は天と地を結ぶ役割があるのかもしれません。
続いて、スケルツォ2番。
スケルツォは、去年ストピを弾きに行った時に、ブロ友さんが弾かれていたのですが、感情移入し過ぎて突然泣き出してしまった曲。
恐怖と怒りと不安で叫びそうなのに、それらを押し込めて「大丈夫」と笑っている。穏やかな光景、皆と一緒に陽気に笑っているのに、本当はとても辛くて、自分だけ心から笑えていない孤独感…
こんな感情に襲われてしまったのです。決して情緒不安定ではないのですが…。

この後は自分の出番なので、聴き入りながらも感情移入は程々に、平常心を保たなければ!と謎な戦いをしておりました。
気を付けないと、物凄く影響されてしまう曲が幾つかあります。


さて、始まりました。出番です。拍手が温かくて幸せな気持ちでピアノに向かいました。
弾いている間の記憶があまりなくて、2曲弾いたのにあっという間でした。
「思ってる音色と違うな〜」と幾度となく思いました。
それから、完全に素に戻ってしまった瞬間、音が分からなくなり間違えたガーンしれっと流しました指差しまだ弾き込んで1年に満たない曲。前よりは曲に入れては来ました。動画で振り返ってみると、詰め詰めな感じがする。もう少し間を作れば良かったな。

全体的に、未だ思う音色が出せてないな〜。こればっかりは、自分の中での要求がどんどん上がってしまうから、キリがないのです。

演奏聴いていて、音の形が物凄く変わるピアニストがいて、発してからぐいーんと曲がったり、一面に広がったと思ったらスルスルと萎んで消えたり、そういうのできたら面白いなと。

帰ってから練習するつもりでしたが、春眠。とてつもない眠気で直ぐに寝てしまいました。

冬の不調から抜け出して、演奏するのがとても楽しかったです。
体調と気力を整えておくの、大事ですね。