リアリティを追求しています。
それが芸術には必要だと思うから。
その為に取材します。
小説を書く時は取材してから書き始めます。
どういう状況で何をして何を思うのか?
取材して実際に見聞きしたり経験したものを、想像の中で組み立てると、リアリティが生まれます。
演奏なら、演奏する前に、その作品の時代、その時作曲家は何歳だったのか?どういうものに影響を受けたか?など調べておくと作りやすいです。
今練習している曲は、文献が見付からないのでネット情報ですが、「この曲を恋人に贈って3年後に結婚した」というエピソードがありました。
曲の最後に教会が出て来て、結婚式をするシーンがあるなと勝手にイメージしていましたが、そのエピソードにより更に具体的になりました。
レッスンでは「ここはディミヌエンドで」「ここでもう少し間を取って」「もっとピアニッシモ」と、様々なアイデアを頂きます。
しかし、それらをそのまま受け取って、その通りに弾くのは何か違う気がするのですよ。
リアリティが無い。
もしも「何故そう弾くのか?」問われた時、「先生にそう言われたから」という答えになる。
それは表面的な演技・フェイクに見える。
常に「何故そう弾くのか?」という問と答えを、自問自答しています。
答えが見い出せない時は、かなり苦しいです。
何をしたらいいのか、どう弾いたらいいのか、さっぱり見当がつかず、自分は一体何をしてるのだろう?只々繰り返して弾いているだけで変わらない。そこに意味があるのだろうか?
そういうスランプ期が、私には年に一度は必ずやって来ます。
丁度今がスランプです。
レッスンで沢山のアイデアを頂いたのに。宝の持ち腐れ状態。
だけど、常に考えていると、ある日全てが繋がる瞬間が訪れます。作品から自分が感じ取ったもの。筋の通った解釈と発想。
リアリティは強い説得力になります。