私がラヴェルを好むのは、曲の構成が、私の小説を書くスタイルと似通っているからかもしれない。
私は音楽の様に小説を書きたいと思い続けています。とはいえ、音楽理論殆ど理解出来ていないので、耳を頼りに聴きまくり、楽譜があれば楽譜を読み、映画にすると、こういうシーンの流れで、どの旋律が伏線になってて…という具合に見ています。
私がラヴェルを知ったのは、高校生の時。
映画「愛と哀しみのボレロ」をテレビで観て衝撃を受けました!
最初と最後にバレエ「ボレロ」の踊りのシーンがありますが、凄いエナジーを感じたのです。人間の肉体でこんなにも強烈な表現ができようか?と。
これがきっかけで、私はダンスを始めました。
この映画との出会いで、人生変わったと言っても良いくらい
初めてのラヴェルは「ボレロ」でした。
ずっと単調なメロディーの繰り返しなのに惹き付けられる不思議。
大学時代には、論文に書こうとラヴェルを研究しました。「文学と音楽における、繰り返しの表現と効果」をテーマに。
卒論は結局、違うものになってしまいましたが
ラヴェルは、精密な設計図があり、シンプルに見えて細やかな表現が施され、時に刺激的且つグロテスクなものが顔を出す。そんな印象を受けます。
美術でいうと、M.C エッシャーみたいな。
だまし絵で有名な画家です。
エッシャーは幾何学に魅せられて、数学的に絵を描いています。
自然をモチーフにしながら人工的で、
幻想とリアルが交錯するような
ラヴェルもこんな感じがします。印象派として、ドビュッシーと同じタイプに思われがちですが、
ドビュッシーが自然を描写するのに対し、ラヴェルは、例えば「水の戯れ」でも、水という自然を描き自由さもあるが、どこか機械的や人工的な雰囲気を持っています。
私が小説でやりたいのは、最初の淡々とした雰囲気がいつの間にか、激しさや強烈さ、或いは怖さ等、刺激を伴う、そんなスタイルです。
ラヴェルの楽譜を手に入れた今、もう一度ラヴェル作品の考察と、自分自身の小説作風について考えを巡らせたいと思います。

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