先日1月25日のYoutubeライブ配信をご覧くださった皆様、

本当にありがとうございました。

(ただいま編集中、全訳つけたバージョンを皆様に早めにお届けできればと思います。)

 

 

昨日29日、お客様を迎えてのベルリン公演が終演し、

僕達の《冬の旅》はこれにて一旦幕を閉じる形となりました。

 

 

当日は思いがけないほど多くのお客様に恵まれ、

会場はほぼ満員でした。

 

 

何処の馬の骨か分からぬ邦人のために土曜日の貴重な時間を割いてくださり、

なんとお礼を伝えてよいか分かりません。

正直、びっくりして感激してしまいました。

 

 

さて、この偉大なる作品をコンサートとして実際にお客様を迎えて演奏してみて、

発見したことがいくつかあります。

 

 

まず、

「普段CDで聴く"バリトンの"冬の旅」というイメージでは

少なくともテノールではLIVEで聴かれないだろう、ということです。

僕はその奇跡を追い求めてここまで追求してきました。

その奇跡の実現は次にお預けとなりそうです。

 

 

一曲一曲の各箇所を濃厚にしていけばいくほど、

24曲まとめての流れを見失います。

高声版では(実際はそれがシューベルトのオリジナルバージョンだと知る人は残念ながら多くありません)

高音を出す上でさらに技術と神経を要します。

 

 

バリトンやバスバリトンでの《冬の旅》が容易だ、と言いたいわけではありません。

ただ、別物だと思います。

 

 

一曲一曲、各テイクを繋ぎ合わせるレコーディングセッションにおいては、

理想の、あるいは自分の理想に近い《冬の旅》が完成するかもしれません。

コンサートをやり終えた今の僕は、そこに興味があります。

 

 

ただ、コンサートで連続24曲、

自分の想像通りのテンポでさすらいを続けていくのは、今の僕には難しすぎました。

 

 

それでも、コロナ感染が増え続けるベルリンで、

コンサートを開催できたのは奇跡だと思います。

 

 

1年半という間、

この24曲に真剣に取り組むことができたのは幸せという他はありません。