[小節番号237-“Freude”]

●Freude喜び Fロィデ

 

”喜びよ”との呼びかけは

感動を最初のfとrの巻き方に伝えてみてください。

FRで喜びを表してください!!

ドイツ語のe-uはo-iと読む原則があります

フレウデ、とはなりません。

 

歌の入りよりも少し前からfffと準備するくらいでちょうどいいです。

 

 

最後のdeはデ!とならず、少し「デェ・・」と渋い母音で終わりましょう。

このように単語の最後のeや、単語の途中でもアクセントが来ないe母音は

「弱母音」と呼ばれ、

その名の通り、少し主張弱めに(自信なさげに)発音されます。

感覚とするとウとエとアの間くらいでしょうか。少しぼやけるようなイメージです。

この「弱母音」の発音はこの第九を通してとっても大事です。

これをマスターすると、一気にネイティブ発音に近づきます!

 

 

 

 

 

 

[小節番号257-“Deine Zauber”]

いよいよ皆んなで声を合わせて歌う部分です。

 

●Deine お前の ダィネ

これは「デイネ」ではなく「ダイネェ」と読みます。

ドイツ語のe-iはa-iと読む原則があります。

(上級:最初のDは案外少し摩擦してもらうとネイティブらしくなります。)

 

最後のneは再び「弱母音」

「ネー」とおっぴろげにならないように注意してください。

 

 

●Zauber 魔力 ッッアゥベァ(あるいはッッアゥベr)

一行目の一番大事な言葉です。

魅了されて、待ち遠しかったその時がやってきたかのように、

「っっ」を溜めて喋ってみてください。

A-uで母音を深めていきましょう。アウ!よりかは、「アォ・・」に近いイメージかと思います。

 

最後のerは巻いても巻かなくてもどちらでも良いです。

今後たくさんの語尾のerを見るかと思いますが、

必ず巻かなければいけない!ということはあり得ません。

その単語その単語の霊感を感じながら柔軟に試してみてください。

中途半端さこそ、彩りとなります。

 

●binden 繋ぐ ビィンデン

bindenのbは意外にも強く発音されます。

とは言っても、

この文章の中ではZauberの言葉が持つ力と比べるといくらか控えめに発音されるべきかと思いますが。

最後のeは再び弱母音です。少し滲ませて!

 

●wieder ヴィィダァ(あるいはヴィィダァr)

再び繋ぐの”再び”である wiederはその喜びを下唇に乗せて

Vvvヴィーダーと喋ってみてください。

ドイツ語i-eはi-i(i伸ばし)と発音されます。

 

最後のerは巻いても巻かなくてもどちらでも良いですが、

この文章の持つ魔法のような魅力を感じながら

最後のrまで綺麗に喋っていただければと思います。

 

 

●was -を ヴァs

最初のWはヴと発音されます。

下唇を噛んで、勢いよく息を吐きながら発音してみましょう。

最後のsは濁りません。

 

●die(定冠詞) ディィ

dieは英語で言うtheですね。

英語でdieは死ぬ、ですが笑、ドイツ語でdieは定冠詞です。

原則通りi-eはイィと発音します。

 

●Mode 時代 モォォデ

途中に出てくるoについて。

ドイツ語では二つのOの発音があります。

開いたOと

閉じたOです。

開いたOは後々出てくるGott神 ゴットなど、

閉じたOはこの単語 Mode モォーデェ や Tod 死 トゥーtなどがあります。

ここでは閉じたO発音ということでかなりUに近く発音されます。

 

最後のdeは弱母音。

あまりおっぴろげにならないで優しく渋く単語をフィニッシュしてあげてください。

 

 

●Streng 強く シュtレンg(最後のgは鼻濁音)

原則:Stはスtではなくシュtとなります。(ュは喋りません。シュtからュtを引いた発音です。)

 

真ん中に挟まれたrを巻いてあげるのをお忘れなく!

 

語尾のngははっきりとグとは発音されません。(鼻濁音的)

動画を見ていただいたり音声を聞いていただくのが一番良いかと思いますが、

完全にグと発音されるのの一歩手前で止める、そんな感覚でしょうか。

 

●geteilt 隔てられる ゲェタィルt

最初のgeはアクセントがかからないため、弱母音の原則となります。

つまり、ゲ!ではなく「ゲェ・・」と優しく渋いモードで発音しましょう。

でも最初のGはちゃんと「グ」と発音しましょう。

 

E-iはa-iと発音されます。

二回あるtの発音をしっかりとしてあげましょう。

「隔てられる」という言葉の意味からもニュアンスを汲み取ってtを発音してあげてください。

 

 

 

三行目

●alle すべて アッレ

すべて包む感覚をもって深くa母音を発音してみましょう。

LLとふたつLが並ぶときは、少なくとも歌の場合は少し詰まって発音されます。

アッレとなります。

 

最後のeは再び弱母音。もうそろそろ皆様弱母音に慣れてきた頃かと思います。

最初のAでぶわっと高揚感を持ちながら、最後のeは少し閉じ気味に、

コントラストをつけてあげましょう。

 

●Menschen人々 メンシェン

Schはドイツ語ではシュと発音されます

 

最初のeと最後のeで発音に違いがあります。

この単語が自然に発音できるようになれば、他の単語もかなり楽勝になってくるでしょう。

なので、今なんとなくでも感覚で覚えてくださった方が良いかと思います。

最初のe(Menのe)は単語のアクセントとなるため、ちゃんとエと発音します。

それと比べ、最後のe(schenのe)は単語のアクセントでないため、はっきりエと発音されません。

弱母音の原則に従って、渋く優しく、

おっぴろげにならない「ェ・・」を目指してください!(カタカナではこれが表現の限界・・笑)

 

最後のnはちゃんとつけてあげて。

どこにつけるかと言うと、舌を前歯の後ろにつけます。

「ライオン」と発音するときの、ラのときの舌の位置と同じです。

舌が上側にくっついているでしょう。

その位置で「ン」と言ってあげます。

日本語で喋るときの「ン」をやや強調した感じ、と言えば分かっていただけるでしょうか・・!

 

 

●werden -になる ヴィィア(あるいはヴィィr)デェン

これまたなかなか発音が難しい単語です。

難しい単語は、1日も早くマスターしてしまうに限ります。

最初のwはちゃんとヴと下唇を摩擦しましょう。

 

最初のe(werのe)は単語のアクセントとなり、しかも伸ばすeのため、イとエの間くらい、

でもあくまでeで発音します。

最後のe(denのe)は単語のアクセントではないため、弱母音的に発音されます。

 

(後々テクストに出てくる重要単語 Leben人生 レィーベンなんかも同じ原則に従っています。

最初のeは伸ばすeのため、イとエの間くらい、でもあくまでeで発音。

最後のeは単語のアクセントではないため、弱母音的に発音。)

 

 

真ん中のRは特別巻かれる必要はありません。

巻いても間違いではありません。

が、音楽のフレーズ上のレガート(音楽用語legato: 滑らかに)に影響を及ぼすことをお忘れなく!

巻くと、ヴィィRデンと、どうしてもヴィとデンを分断するRとなります。

巻かずにァと発音すると、ヴィィァデンと、全てを母音として発音することになり、発音にレガート性質があります。

 

語尾denの最後のnはちゃんと硬口蓋につけてあげましょう。

舌を硬口蓋につける癖を、この文章を読んだその日からつけましょう!

最初は慣れなくてもだんだん慣れてきます。

慣れるほどたくさん、ドイツ語にはNが出てきます。

その都度「舌をつける!」なんて考えている余裕はないため無意識でできるくらいまで練習してください。

 

 

 

●Brüder兄弟 ブリューダr(あるいはデァ)

Brは兄弟になるのだという意志、喜びを胸に力強く発音してみましょう。

Rはたくさん巻いてあげていいと思います。音楽的にもアクセントがかかる部分なので。

 

Ü Uの上につく点々はウムラウトと呼びます。

この場合、「ュ」と発音します。

「ブリュー」です。(ちょっぴしお下品に聞こえますね・・笑)

 

語尾erを綺麗に表現できると素晴らしいです。

お勧めしないのは「アー」とだらしなくアに開いてしまう発音と、

「デルrr」と堅くrを巻く発音です。

前者はせっかくその前「ブリュー」となって母音が細く繊細にいたのに、「アー」とガッと開いてしまうとちょっと台無しです。

歌う観点から見ても、いきなり開かれた母音を歌うことは喉声になる(あるいは喉声に「落ちる」と表現しましょうか)リスクがあります。

「ぶりゅーでる」という発音は日本の第九合唱にてよく聴かれますが、正直綺麗ではないです。

 

Rを巻くことに躍起になっていると、

その後に来る was die Mode..のフレーズに乗り遅れるリスクがあります。

巻かない方が実践的、でしょう。

 

 

●woどこ ヴォー

Wはやはりちゃんと下唇を噛んでヴォーと発音されるべきですが、

この文脈上、woどこは特別大事な単語ではありません。

特別強調して大袈裟にヴヴヴヴヴォーと発音するのは避けた方が良いと思われます。

 

●dein あなたの ダィン

Deinはデインではありません!ご注意ください。

E-iはa-iと発音されます。

 

語尾nしっかりくっつけて!

 

●sanfter 柔らかい ザンFテェァ

Sanfterの最初のSは濁ります!

じゅわっと、一瞬にして広がりを感じさせて、でも暴力的にならず。

言葉の意味「柔らかい」のニュアンスを感じながら試してみてください。

 

途中に出てくるn、ちゃんと硬口蓋につけてあげて!

 

FもしっかりFと発音してあげてください。

W(ドイツ語ではヴと発音します)のときと唇の噛み方は同じです。

 

語尾のerはこの「柔らかい」の単語のニュアンスを汲み取った処理ができると好ましいです。

「ザンフター」でも「ザンフテル」でもなく。

各々が、その単語に抱くファンタジーを大事にしてください。

そのファンタジーを発音にも練り込ませてあげようとしてください。

キャンバスの色使いに、工夫がみられてくるはずです。

その中途半端な色、混じった色を大切にしてあげてください。

 

 

●Flügel翼 Fリューゲル

最初のF少し勢いを持って唇を軽く噛んで発音しましょう。

 

ÜはUウムラウトと言うことを学びましたね。そうです、Brüderで出てきました。

「ュー」と発音します。

 

Gelはジェルでは無くゲルです。

ここでのeはアクセントでないため弱母音となります。

つまり、「ゲ」より少し「ゲェ(渋く優しく」方向ですね。

 

単語中に二回出てくるLでは必ず「ライオン」のラの発音の時のように舌を上歯の後ろにつけましょう。

 

この行で最も大事にされるべき、主語です。

Sanfter柔らかい も Flügel翼 も、どちらも飛び切りやわらかく広がる大きな翼のように発音してみてください。

 

 

●weilt広がる ゔぁィLt

wでじわーっと広がるように、思ったよりも時間をかけて発音して。

e-iはa-iと発音することをDeineダィネ で学びましたね。

Lで舌をつけることをお忘れなく!

 

 

 

[小節番号285-“Ja, wer auch nur”]

一行目

●Ja そうだ イヤァ

最初は「じゃあ」ではありません。iyaです。

「じゃあ」の摩擦力は残しておきながら、音にはならない。そんな感覚です。

ただの「ぃやぁ」の頭にほんの少しだけ摩擦のホイップクリームを乗せてあげる。これが舞台でのJaの発音です。

なお通常会話のドイツ語では摩擦されない、あるいは摩擦は聞かれないです。

 

●wer誰/〜である者 ヴィィァ(あるいはヴェr)

最初のwはちゃんと唇を噛んでヴと言ってあげてください。

 

Werden -になる ヴィィア(あるいはヴィィr)デェンを思い出してください。

ここでも同じ質のeが使われています。

アクセントがかかり、しかも伸ばされるEは、少しイ母音の方向に行くことを覚えていますか。

ここでも同じです。

 

単語最後のRは巻かれる必要はありません。

巻いても、もちろん間違えではありません。

ただこのフレーズは結構速いため、どちらにしてもしっかりと巻いている時間はないかと思います。

 

●auch -も アォホ

chは「ホ」と読みます。(ヒと読む場合もあります sichズィヒ)

でも、母音なしです。どういうことか。

「ほっとした」という日本語から「おっとした」を除いて、残った部分、と言う感じです。

スターウォーズがお好きな方はダースベイダーの呼吸音を想像してみるといいでしょう。

「ホー、ホー、」と声にならず声を立てて呼吸していますね。あんな感じで発音されます。

吐息を立てる、という言い方もできるでしょう。

 

最初のAuはアゥよりかなりアォに近い方向で発音されます。

でも、Uの深さは必要です。うーん・・この単語の発音ばかりは文章では表し切れません。

動画や発音音声をお聴きになってください。

なおこのauの発音は後々にauf-の上 アゥf や aus -の外から アゥスでも使えます。

 

 

●nur -だけ ヌゥr(あるいはヌゥァ)

最後のrは巻いても巻かなくても。

ただ、このフレーズは結構速いため、どちらにしてもしっかりと巻いている時間はないかと思います。

なお巻かれなくても全く問題はありません。

 

●eine ひとつの アィネ

以前出てきたDeine お前の ダィネの、最初のDがないバージョンです。

E-iはa-iと発音されます。

どちらかというとaに重心がかかり、i母音はa母音と比べると控えめです。

アイ、ではなくアィ、といったところでしょうか。

neは弱母音。もうお手の物ですね。

ネ!ではなくて、「ネェ・・」と少し母音の色ににじみをつけましょう。

 

●Seele 魂 ズィィレェ

最初のSは濁ります。

ずずずぅっと魂を注ぐ感じで時間をかけてずぃと言ってあげてください。

 

ここで新しい原則が出てきました。

e-eのようにeがふたつ続く場合。

この場合はwerdenやwerと同じで、

アクセントがかかり、しかも伸ばされるEとなります。

 

最後のleはおなじみ弱母音。ここまで来てわかってきたかと思いますが、

ドイツ語の単語の最後のeは原則的に「ェ・・」と渋く緩い母音になります。

 

 

二行目

●sein 彼のもの ザィン

最初のsは濁ります。

e-iはa-iと発音されます。

最後のn、ちゃんとベロを上の歯のところにくっつけること、お忘れなく!

 

●nennt 呼ぶ ネェンt

最初と途中、全部で二回Nが出てきますね。

二回とも舌を後口蓋につけることをお忘れなく。

 

 

●auf上に アゥf

もう少し前にauch アォホという単語が出てきました。

そのときのauの発音を思い出してください。

完全なA-Uよりかは少し、アォの方向で発音されます。

 

 

●demその ディィm

英語で言うtheの役割を果たす短い単語ですが、

中のEはアクセントがかかり、伸ばされて鋭く(イの方向に寄せて)発音されるEです。

デムではありません。ご注意を!

 

 

●Erdenrund地球 イィァ(あるいはイィr)デンrルゥンt

発音が難しい単語のひとつです。

これが綺麗に発音できるのであれば貴方もかなり発音マスターに近いでしょう!

ちゃんとひとつひとつ丁寧に取り組むことが最も近道です。

 

さて、長い単語ですがひとつひとつ見ていきましょう。

最初のEはアクセントがかかり、イ方向に寄せられて発音されるEです。

最初のr(Erdenのr)は巻いても巻かなくてもかまいません。

 

denは前半の最後にあたり、アクセントでないため、弱母音として発音されます。

渋く滲ませて。

 

単語の後半rundはもともとrund丸い ルゥンtという単語です。

ちなみに前半ErdenはErde大地 イィァ(あるいはイィr)デ という単語からきています。 

大地の丸み=地球/世界となるわけですね。

 

後半の単語rundは最初のrは単語に勢いを持たせるために巻いてしまっても良いかと思います。

Uの母音は日本語のウより深さを意識しましょう。

Ruでこの単語の持つ意味「丸い」を描写できると好ましいですね。

最後のdはドゥではなくtとして発音されます。気持ちよくTを放ちましょう。

 

 

 

三行目

●undそして ウゥンt

この単語は頻出単語です。

今マスターしてしまいましょう。

深いUの発音、Nで舌をちゃんと上歯に付けて。

最後のDはTと発音されます。

 

 

●wer’s-の者は ヴェィィァs(あるいはヴェィィrs)

この単語はWer+es それ エスを省略した形としてWer’sとなっています。

最初のWはヴです。しっかり唇でハジきましょう。

間のeはアクセントがかかり、イ方向に寄せられて発音されるEです。

音楽上それほど伸ばせる音ではありませんが、

発音上は少し伸ばされるべきEだということを意識しておくと良いかもしれません。

Rは巻いても巻かなくてもどちらでも良いです。

速いパッセージなので、テンポによっては歌いながら巻いている余裕はないかもしれません。

最後のSは濁りません。

 

 

●nie決して ニィィ

最初のNは少し大袈裟にnnnと。

「ケッッッッして」と日本語で強調するのと同じように強調してあげましょう。

ドイツ語の原則に従いi-eはi-iと発音します。

 

 

●gekonnt出来た(前出のnieと組み合わせで 出来なかった の意) ゲェコンt

以前出てきましたgeteilt ゲェタィルtの最初のgeと同じgeの発音です。

geはアクセントがかからないため、弱母音の原則となります。

つまり、ゲ!ではなく「ゲェ・・」と優しく渋いモードで発音しましょう。

でも最初のGはちゃんと「グ」と発音しましょう。

 

●der定冠詞(ここでは -な者は の意) ディァ(あるいはディr)

既出単語wer ヴェァ のwをdにしただけで、他は発音は同じです。

 

途中のEはアクセントがかかり、イ方向に寄せられて発音されるEです。

最後のrは巻いても巻かなくても。歌いながらしっかりと巻く時間は恐らくないでしょう。

筆者は巻かずにァ(小さなア、と表現したいと思います)と言います。ディィア

 

 

●stehle立ち去る シュテェィィレ

stはシュtとなります。厳密には「シュt」から「ュt」を除いた発音です。

さりげなく誰にも気づかれずに立ち去る様子を表現してみましょう。

 

ehはe-eと同じで、イ方向に寄せられて伸ばして発音されます。

最後のleは弱母音。

 

四行目

●weinend 泣きながら ヴァイネンt

最初のWでさめざめと涙が流れる様子を表現してみましょう。

wwweinendと。

 

ドイツ語のe-iは・・もうご存知ですね。a-iとなります。

ヴェイネントではございません。

最後のdはtで発音します。

 

●sich(代名詞) ずぃひ

最初のsは濁ります。

Chは日本語の「ひ」から「い」をマイナスして残る発音、です。

 

 

●aus -の外から アゥs

もうausアゥs もauchアゥホ も発音してきたことですから、この単語は楽勝でしょう。

Uは少しォの方向性を持って。そっちのほうが発声的にも歌いやすいかと思います。

 

●diesem この ディィゼム

I-eはwiederヴィィダァでも出てきましたね。イィという発音になります。

Sは濁ります。

最後のM、粘り強くム!と唇でやってあげてください。

 

●Bund 集まり、束 ブゥンt

最後のdはt発音です。

なんとなく原則にお気づきでしょうか。

語尾のdはtと発音されるのがドイツ語の原則です。

 

Nはちゃんと舌を後口蓋につけるのを忘れずに!

 

 

 

[小節番号313- “Küsse gab sie uns”]

一行目

●Küsse 口づけ キュッセェ(複数形の形。原形はKussクゥス)

キスですから、

最初のKüでチュッ(キュッ)とするように、ヨーロッパ風口付けで強めにいきましょう。

 

Ü(Uのウムラウト)は「ュ」と発音します。

 

ssと二回sが並ぶ場合は濁らず「ス」となります。

語尾のeは・・そう!弱母音です。

キュッセ!とおっぴろげに上げずに、「キュッセェ↘︎」と言葉を綺麗に締めくくりましょう。

 

●gab 与えた ガァp

最後のbはpと発音します。

 

●sie それ(あるいは彼女)ズィィ

Wiederヴィィダァ nieニィ diesemディィゼムでも出てきた通り、

I-eはi-iと発音されます。

ジィではありません。あくまで、ズ+ィィです。

 

(以前ソリストの方で(!!)Seeleを「ヂーレ」と発音している方が居たためびっくりしました。笑

ズィィレが正解です。)

 

●uns 私たちに ゥンs

既出Und ゥンtの最後がsになっただけです。

ちなみに直後の単語undの発音も、既にレクチャーなしで発音できることでしょう。

 

●und 

既出のため割愛します。

 

 

●Rebenぶどう酒 Rェィィベン

単語の始まりのRであり、

しかも音楽に勢いがあるところですから、

ちゃんと巻いてあげても良いと思います。

ここでRを巻くべきもう一つ理由があります。

Leben人生 レィィベンやLieben愛する リィィベンという、Lから始まる単語と発音を区別するためです。

中途半端にやるより、思い切りRを巻いてあげてください。

 

 

最初のeはアクセントがかかり鋭く発音されるe。

完全に「レーベン」とはならず、でも「リーベン」とも違います。

「リーベン」寄りの「レーベン」です。

 

最後のnを付けるのを忘れずに・・!

案外、舞台ではその違いを聴き分けられます。

 

二行目

●Einenひとつの アィネン

E-iは・・そうですa-iです。

この発音の例としてはここまでDeineダィネ Deinダィン Seinザィンなどが出てきましたね。

2回目のe(enのe)はアクセントがかからないため弱母音です。

アイネン!よりかは「アィネェン・・」の方向に発音しましょう。

 

●Freund友 Frォィンt

歓喜の歌最初の言葉Freude喜び Frォィデと、とても似ていますね。

Nが途中に入るだけで、全く別の意味になります。

友こそ人生の喜び(FreundこそFreude)、ではありますが、

是非とも二つの単語を交互に練習してみてください。

 

この単語Freundでは途中にNが入ることと、

最後がdで切れるためtと発音されます。

その他は同じです。

FrはしっかりFで勢いよく唇を噛んで、Rはしっかり巻きましょう。

E-uはo-iと発音されましたね。

 

 

●geprüft 試された ゲェprュゥft

ここで発音が難しい単語が出てきます。 

でも、ここまで50単語近くのドイツ語発音を練習してきました。

かなり頑張りましたね。

この単語も今までの規則だけでできるはずです。

 

 

以前出てきましたgeteilt ゲェタィルtやgekonnt ゲェコンt

の最初のgeと同じgeの発音です。

geはアクセントがかからないため、弱母音の原則となります。

ゲといかないで、少し曇らせて試練の厳しい様子を表してみましょう。

 

Prはpで破裂、rで巻く、と結構ビジーな発音かと思います。

100回練習!ですね。

 

Ü(Uウムラウト)は「ュ」と発音されましたね。

ここではしかも、アクセントがかかり伸ばされます。「ユゥ」という感じでしょうか。

 

最後はft。

Fで唇を素早く噛み、tでちゃんと切ってください。

 

●im -の中で イム

In(-の中で)+dem(定冠詞)という形の省略形です。

 

 

●Tod死 トォォt

とても大事な単語です。

死という意味ですから、

最初のtと最後のd(これもtと同じ発音ですが)は冷たく深い谷底を思わせる発音をしてみましょう。

でも、それでもって勢いよくtを切ることが必要です。

 

真ん中のoは閉じたOの発音です。

Mode モォーデェという単語のOの発音がこれでしたね。

 

かなりUに近く発音されます。思ったより、Uに近いです。

練習として、Gott-Todを反復練習してみることを提案します。

Gottゴォッtは開いたO。

(開いた、とは言っても日本語のOよりも少し深いくらいの深さです。よくある日本の第九で聞かれるゴァッtは、正直開き過ぎです。開いたOであってもA方向には行かない方が良いかと思います。)

この単語Todは閉じたO。

もっともっとモォォォっと、深く発音してみてください。

 

 

●Wollust 歓楽 ヴォッルゥst

少し発音が難しいです。

最初のWはしっかりとヴと発音してあげてください。

この単語の後半Lust ルゥst は喜びという意味です。

微笑みを含むように深く丸く「喜び」を表現してください。

stは素早くsとtを発音しましょう。

 

●ward -られる(受動態)ヴァrt

最初のwでちゃんとヴと発音してあげましょう。

最後のdはt発音です。

途中のrはあまり巻いている余裕はないかもしれません。特別巻かれる必要もありません。

 

●dem

既出のため割愛します。

デムではありません。ご注意を!

 

●Wurm 虫けら ヴゥrム

最初のWはヴと唇をはじいてください。

Uは一瞬の発音ですが、充分な深さを感じて!

Rはあまり巻いている余裕はないですが、巻いても良いかと思います。

この単語の性質上、ヴゥァムと「あえて巻かない」必要もないでしょう。

正直ここでのR巻くか巻かないかは熾烈な音楽の中に埋もれる一瞬の出来事のため、議論は重要でないと思います。

巻く人がいてもいいし、巻かない人がいてもいい。で良いと思います。

 

 

●gegeben 与えられる(受動態) ゲゲィィベン

既出の単語geteilt ゲェタィルtやgekonnt ゲェコンt geprüft ゲェprュゥftの最初のgeと同じgeの発音です。

なんとなくお気づきでしょうか・・

この最初のgeは動詞の変化によって現れる文字なのです。

最初のeはアクセントがかからないため少し渋めに「ゲェ・・」となり、

真ん中のeはアクセントがかかり伸ばされるため「ゲィィ」となります。

 

ちなみに最後のeは・・ご名答。弱母音です。

この単語のみっつのeを区別して発音できたのであれば・・

もう発音マスターへの道はとても近いです!

 

最後のn付け忘れないようにね!

 

 

四行目

●und 

既出のため割愛します。

 

●der

既出のため割愛。

ここまで来てだんだんと馴染みの単語が増えてきたのは嬉しいですね!

 

 

●Cherubケルプ(神の名前) ケィィrゥゥp

日常会話ではまず聞かれない単語です。

僕も第九以外で聞いたことがない単語です。

例外的単語なので、そのまま覚えちゃうのが良いかと思います。

最初のChはキと読みます。

 

Eはアクセントがかかり伸ばされるe。iの方向に発音するやつですね。

途中のrは一巻きしましょう。

 

最後の母音uも丸みと深みを持って。

あるいはこういう言い方をしておきましょう。

歌う上では一瞬の発音だとしても、そこに丸みと深みと優しさを込めることを諦めないで、と!

 

 

●steht 立つ シュティィt

最初のsは「シュ」から「ュ」を除いた発音です。

あるいは「シュークリーム」から「ュークリーム」を除いた発音と言えるでしょうか(分かりにくい)

stehleという単語を発音したことを覚えていますか?

最後の2文字以外は発音が同じです。

 

途中のeはアクセントがかかりi方向に伸ばされる発音です。復習的にSeele ズィィレという既出単語のe発音を同例として挙げておきます。

Hは読みません。

 

●vor -の前に フォr(あるいはフォァ)

vはFの発音となります。

Oは(一瞬の発音ですが一応)閉じたOです。深めのOです。

Rは巻いても巻かなくてもどちらでも。一瞬すぎてわからないくらいです。

 

●Gott 神 ゴォtt

ここで応用テクニック。

発音記号上は短く開かれたOなのですが、

日本語の明るいoというより、やはり神様をおがむようにoo(ォォ)と発音するイメージの方が良いと思います。

歌でもだいぶ高い音ですからね。

高い音で母音がおっぴろげになると、声も叫びがちになってしまいます。

 

最後のtはたくさんやってもらって良いと思います。

それを多くの指揮者も望むことでしょう。

 

 

 

 

前半終わり!

後半に続きます。(11月中旬に公開予定)