「忍耐、忍耐」という名のアリアをこの胸に抱えた1年間が終わりました。
去年落ちた「予選」、
今年は無事通過。
初めての本選です。本選オーディションに臨むたった2人のテノールのうちの1人となりました。
4つも席が空いているテノールのポストに、たった2人の候補です。
日本人初のベルリン放送合唱団正団員になるべく、1年間準備をしてきました。
オーディションの結果は果たして、
2人の候補とも充分な得票数(全票数の2/3)を得られず、ポスト4つは空いたままとなりました。
「試用期間として1年とりあえず採用してはどうか」という議題になったようですが、覆りませんでした。
ところで僕は29票だったようです。もうあと10票(も)必要だった。
よく考えれば、2年間ここでよく歌わせてもらっているとはいえ、
どこの誰かも分からないアジア人の僕に票を入れてくださった29人の同僚には感謝しかありません。
26歳、若手として、日本人初という「タイトル」が欲しかったのは正直な胸の内です。
少しだけ休んで、
また僕のペースで歩いていきます。