遠くわけのわからないところから帰ってきた浦島太郎のような心境で、降下する飛行機の窓から

故郷の風景をぼぅっと眺めていた。

 

 

飛行機から出た僕を真っ先に出迎えてくれたのは、僕の幼い頃からのヒーローだった。

SMBCかどこかのコマーシャルに起用されているらしい。

 

そこで僕は心から知ったのだ。

 

この英雄の引退とともに

平成という時代も幕を下ろしたのだと。

 

 

そうして悟った。

 

 

僕たちが生まれた平成という時代は

もう僕たちとともに流れることはない。

 

 

その事実が 僕の胸の中に謎めいた空虚感をおおげさに演出していて、

夏の日のようにじりじりと陽炎ゆらめく飛行場の地面をにらんでいた。

 

 

 

【中日新聞本社でのコンサート】

中日新聞さまにお招きいただき、中日新聞本社でコンサートをさせて頂く運びとなりました。

事前予約不要。500円。

名古屋の方はぜひぜひいらしてください。