僕は覚醒剤取締法違反で逮捕された、元教員です。
1年前の今頃、少しずつ前に進み出したところでした。
・NAミーティングに参加し始めた
・病院の薬物依存症グループに参加し始めた
・収入を得る手段について考え始めた
中でも、どうやってこれから生活していくかが大きな問題でした。
入所に抵抗があるなら、ダルクに通所するというのも一つの方法でした。
だけど、結局収入がゼロになるということが不安で、「働く」という選択をしました。
ただ、どうやって働くかが大きな問題でした。
そんな時に、ある友人が就労移行支援に通ってから障がい者雇用で就職したと聞きました。
就労移行支援は身体や精神の障がい者手帳をもっていれば、サービス料を利用側が払って通所できる事業です。
僕は利用者として体験に行き、何度も話を聞いていただきました。
「こんな僕でも利用できますか?」
…あらゆることを正直に話しました。
「受け入れ可能です。」
そう回答を得て、少しホッとしました。
最大2年間はここを利用できるからです。
社会のマナーや働く上での企業研究の方法からレクリエーションまで…
自分で受けたい講義をいろいろ選んで体験させていただいて、グループワークを通して充実感を感じました。
僕は、薬物依存の仲間の中での回復より社会の中での回復を選ぶことが、再犯を防ぐことになるような気がしたのです。
サービス利用費は、前年の収入によります。
僕の場合は、月に2万円以上払わないといけないということがわかったのです。
…かなり迷いました。
ここに繋がっても、実名報道の影響もあるから必ずしも雇用につながるとは限らない…
ただ、心のしんどさが原因で、こんなにも幅広い人が就労移行支援を利用している…
教育現場に長年いて、人の世話をすることが好き。
自分もしんどさを抱えた人のために、何か役に立ちたい…
そうやって就労移行支援や就労継続支援の存在を知ったことで、今の仕事に結びつきました。
自分の機嫌も取れないような人間が働けるのか…
そう突っ込まれたら、迷うところです。
人のことばかり考えていて、自分を傷つけた結果、事件につながったのではないか…
切り離して考えきれるような根拠は全くありませんでした。
だから今、仕事が中心の生活になりつつも、
常に「薬物依存症である自分」というのが前提にあります。
自分の中でも社会の中でも。
僕は、今、もし目の前に薬物が用意されたら使ってしまうかもしれません。
それが病気なのです。
だから、毎日こうやってまとまりのない記事をあげ続けることは、自分のためです。
自分を振り返る。
自分だけではどうにもならないから、NAで仲間の力を借りる。
一度でも再使用したら僕は歯止めがきかなくなる。
一生向き合っていかないといけない。
だから気負いしすぎず、今日もクリーンな一日を。