僕は覚醒剤取締法違反で逮捕された、元教員です。
コーヒーを飲んだからか、まるで眠れないのでリビングにやってきてこの時間にブログを書いています。
昨日はNAでクリーン1年のバースデーを祝ってもらいました。
自分が会の主役で祝われるなんて、気恥ずかしくて照れくさくて…
だけどこの日を正々堂々迎えられたことは、本当にありがたいことだなと改めて思いました。
普段忘れている感謝の気持ちに気付かされました。
つらいことは忘れていくものです。
対面監察付きで約20日間留置場にいて、その後50日以上をせまくてつらくて発狂しそうな拘置所で過ごしたという事実は消えません。
留置場で晩飯後30分くらいだけかかるラジオ番組に涙し、心を洗われたあの日。
刑事さん、監察官に「毎日、いろんな人が面会に来てくれて恵まれてるな。感謝しろよ。」と言われたあの日。
排水管を窓越しに見ながら、晴れた空の下を歩ける日がまたくるのか、不安でいっぱいだったあの日。
感謝しよう。
今、僕は広い空の下で暮らしている。
恐れる必要なんてない。
だって、薬物を手に入れようと行動に出ず、使用もしない人生が今日も続いているのだから。
この空は、もう会えない人と同じ空。
逮捕前の空とつながっている空。
表情は違っても、明日も同じ空。
いつか会えるかもしれないし、もう会えないかもしれない。
教え子、保護者、元同僚。
離れていった友人。
でも、僕は恵まれている。
今も横で支えてくれる彼がいる。
時々能天気にLINEを送ってくる父がいる。
心配して、手紙をくれる教え子やそのおかあさんがいる。
すべてを知っても応援してくれる友人がいる。
そして、NAと繋がってかわいがってくれる、同じ悩みを抱える仲間たちがいる。
知ってか知らずか、何もふれずに接してくれる職場の人たち。
すべてのものに、ありがとう。
今、僕は生きている。
死ななくてよかったかどうかは正直わからない。
だけど、思えば死にたいと階下を眺めることも、先頭車両が駅に滑り込むところを変な気持ちで眺めることもなくなった。
薬物に逃げたいと、悪い自分が脳を支配しようとすることは今でもたびたびある。
でも、ここで逃げて自分を大切に想ってくれている人をもし裏切ったら、もう立ち直れないと思う。
1年は通過点。
ゴールはない。
だから1年と1日目も1年と2日目も…バースデーなのだ。
おめでとう!今日も使わなかった。
俺えらい!
俺カッコいい!!
俺最高!!!
そうやって自分を褒めてあげよう。
薬物問題を知らない人から見れば、何言ってんの?
ダサいな。当たり前じゃない?
…と思われるようなことだろうけど、
使っていない俺はカッコいい。
そう思うと、普段のちっぽけな悩みなんて、本当に大したことないな…と思えてくる。
感謝。