僕は、覚醒剤取締法違反(使用)で逮捕された元教員です。

 

 

 

 

 

 

 

嫌なことから逃げるにも、タイミングが大事だなと思う。

 

やめる時は会社や同僚の都合なんかを考えてしまうから、仕事がひと段落してから…とか、節目の時期までは…と決断を先延ばしにしてしまうものだ。

 

 

 

 

 

 

でも、好きな仕事をやめる覚悟を決めた時には、すでに限界にきているものなのかもしれない。

 

僕は、正式な様式で事件の3か月も前に退職届を出していた。

 

 

 

 

 

 

 

休職期間中、代替講師も配置されないので、一刻も早く戻りたかった。

休み始めて90日前後のとき(給料が8割に減額されるため)、2学期の終わり…休んでいるのにものすごく不安定に陥った。

 

 

 

 

 

 

今、復帰すると管理職からまた便利屋として使われるだけ。

 

愛着に課題があって、前年に入院までしていたほどの環境におかれた子とも向き合わないといけない。

 

生徒指導部長と特別支援教育コーディネーターは外してもらえない。

 

 

 

 

 

 

子ども達とは早く会いたい。

 

…八方塞がりだった。

 

そして薬物に逃げた。現実逃避しようとした。

 

 

 

 

 

 

 

僕は中学校で常勤講師をするために、県の教育委員会に来年度の講師登録に行った。

 

専門は音楽なのだが、4月当初から確実に働ける枠が保障されていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

2月末になっても、なかなか声がかからない。

小学校でお願いしたい、の一点張り。

 

思いきって環境を変えて、講師になることで重い校務分掌(校内の雑務)から解放されたかった。

 

給料は下がり立場が不安定になったとしても、大好きな仕事を続けていける道を選びたかった。

 

 

 

 

 

 

 

だけど、覚醒剤に初めて手を出した時点で、もうその道は閉ざされていたのだ。

 

一時的な快楽のために脳が支配され、心が壊れていた自分に、そんな資格はなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

もっと早くに決断すべきだった。

 

覚醒剤に手を出すくらいなら逃げればよかった。

 

もう一生、大好きな仕事に就くことはできない。

 

 

 

 

 

 

やまない雨はない、と信じればよかった。

 

どうせ仕事なんだし、と割りきれればよかった。

 

仕事を乗りきれば、健全な方法で自分の心を癒やす…そのルーティンが作れればよかった。

 

 

 

 

 

 

手遅れだったのだ。

 

昨日の空は今日に続く。

 

だけど、新しい朝は夕暮れ時に見た空とは全く違う空だった。