岩手・陸前高田の「奇跡の一本松」が伐採された。
東北大震災の際、松原7万本のうち、一本だけ残った松である。
今年5月、私が車で宮城から岩手に入ったのは夕暮れ間際だった。
なんとか一本松を見てみたいと思っていたものの、
レンタカーでのひとり運転、しかもその日に泊まるホテルも決まってなかった。
数件、電話をかけたものの満室が多く、次の日早くに福島の広野町に
行くことが直前に決まったため、早めに南下する必要もあった。
私は結構、しつこいというか、根性があるというか(笑)、
「せっかく福岡から岩手まで来たのに!!」と思えば、意地でも!!
一本松を探す性格である(笑)。
でも何よりも、その時の私の心を折れさせたのは、
今も思い出す、津波による被災地の風景であったと思う。
いつもの私は引っ込んでしまい、無力で小さくて、
感情がフリーズして涙も出せない、儚いただの虫ケラのようだった。
確かに奇跡の一本松は震災の象徴のひとつであるが、
そこに根を張り、生きていくひとはたくさんいる。
その一人一人が奇跡の一本松のようであると思う。
伐採された一本松に心棒を通して保存するためには
1億5000万円がかかり、現在、寄付を募っているという。
それよりも、二本の足で立つひとりひとりの一本松に
真の復興の火が灯るのは、いつになるのだろう。