アトピーが出始めたのは、大人も大人、36歳になってからだった。
家を建てて、母と同居するようになって1年目。
以前から肌は弱いほうだったが、季節はずれの肌荒れが
治らなくなった、と最初は思っていたが、
どの皮膚科に行っても「アトピー」と診断されステロイドが処方された。
主に顔と首がひどく、皮膚は真っ赤になり汁が出て固まった。
朝起きると目が「お岩さん」のようになっていたこともある。
乾燥して皮が剥け、ベランダで雪を降らしたこともある。
アトピーは、患った人でないと分からないが、
とにかく「怖いほど痒い」のである。
仕事を2ヶ月、休んだ。
とても人前に出られる状態ではなかった。
その頃の心の状態はどうだったかというと、
自分では特に生き苦しい事への自覚はなく![]()
仕事に子育てに主婦に趣味にと、好きに生きていた。
(でも今、振り返ってみると「あー、苦しそう」と、気の毒になります
)
アトピーが心に関係するとは夢にも思ってなかった。
色々な病院に行ったが、ステロイドの副作用を恐れ、
40km離れた漢方薬店まで通い、高い薬を買っていた。
「脱ステロイド」に効果があるというその薬は、
塗るとよく効いたので、しばらく通っていた。
だがある日、新聞を見るとその漢方薬店の名前が記事になっていた。
「脱ステロイドの薬の中に、ステロイドが入っていた」という
事件だった。
私は病院も薬店も信じられなくなった。
とっても孤独で、怖かった。
もし私が若き独身だったら、自死すらも考えていたかも
しれないと何度も思ったくらいだった。
そしてインターネットなどでアトピーに関する色々な事を調べはじめ、アトピーが心の問題が関連していること、心と身体がつながっっていることなどを知ることになっていった。
今、思えばアトピーは自分自身を知るための迷路への入場券だった。