兄が強盗殺人を犯して服役しているという事実に

振り回された弟の苦しい半生

 

自分だけでなく、被害者の息子にも手紙を送り続けていた兄

 

社長の言葉にいろいろ考えさせられた

 

犯罪者の肉親というだけで差別をしてはいけないと考えることが「逆差別」につながる

縁を切ることが正なのか?どうかはわからない

正々堂々としていることが悪

 

そして自分が被害者となって気づいた被害者の気持ち

許せないその気持ちを終わらせるにはどうすればいいのか

 

手紙を終えることでようやく事件を終わりにすることができる

被害者も弟も家族全員が

 

 

奥の深い作品だが、処世術としての本音と建て前の使い分けがテーマのようにも思える

 

・・・

これは東野圭吾さんが亡くなったということ報道を目にして手にした作品

書店でインタビューを受けるファンの男性が好きな作品としてこれを挙げていた・・・

確かに、ミステリーものよりこっちのほうがいいかも

 

ちょっと息苦しい展開からのホッとするストーリーが6つ

 

ちらめくポーチュラカ

子どもの通う幼稚園のママ友との付き合いにつかれたブロガー

少し浮いた存在のママ友との意外な距離感から少し救われる

 

サボテンの咆哮

育児ノイローゼ気味の共働き夫婦のサラリーマン

妻方のペースに嫌気がさしながらも我慢をしていたが

ふとしたきっかけの会話でつなぎ留められた

 

ゲンノショウコ

事故で亡くした妹に障害があったため

自分の子どもにも障害があるのではないかと心配しながら子育てし

幼稚園の行事での小さな事件から気持ちを切り替えられた母親

 

砂のないテラリウム

育児疲れのサラリーマンが浮気をしようとして思いとどまり

妻と改めて向かいあうストーリー

 

かけそきサンカヨウ

ノーチェ・ブエナのポインセチア

父が離婚し、小学生から家事をこなす女子高校生と

心臓に重い病気がある男子高校生

家族にはいろんな形があり、ひとつと同じ形がないことに気づき

自分の家族のスタイルを受け入れることができた

 

決めていた大学院への進学を取りやめ、製菓専門学校に進学した理系男子と

自分のやりたいことが見つからないまま、惰性で製菓専門学校に進学した女子の

自分探しの清々しいストーリー

 

ずっと追い求めていた母の作ってくれたあんこが

実は、評判の老舗和菓子屋のものだったという

なんとも言えないオチが笑える

 

持つべきものは、「自分」と「よい友」

これさえあればヨシ

 

メガチャーチってそういうことか。

 

推し活のオモテとウラを鋭く切り込む

読んでいて正直辛いところもあるが、「これぞ朝井リョウ」

というストーリー

 

それぞれの登場人物に幸あれ。

というか幸はあるのか?これ。