◇コロナウィルスのためにピアノ教室は延期が続いているし、通っていたプールや映画館にも感染が心配で行きにくい。かと言って、ずっと家にこもっていると体力的にも精神的にもよくないので奈良町へスケッチしに出かけることに。屋外で一人で絵を描くのならコロナに感染したり、感染を広げる心配はすくないだろうと考え、先月のスケッチ教室で先生が描いてはった小塔院の古い門とそれに続く奈良町らしい町家を描く。

 描いていると2人連れのフランス人女性が話しかけてきた。一人の話す日本語がとても上手だったので尋ねると大阪に13年住んでいるそうで「大阪人や!」と大阪弁のアクセントで話したのには笑った。

 

◇今月のスケッチ教室は京都駅近くの旧柳原銀行。柳原銀行は「1899(明治32)年に町長であった明石民蔵ら地元の有志によって設立されたもので、被差別部落の住民によって設立された日本で唯一の銀行」(パンフレットより)で、現在は資料館になっている。

 教員時代、ほんの少し同和教育・人権教育に関わっていたので柳原銀行の存在は知っていたが訪ねたことはなかった。良い機会だと思い、少し早めに行って資料館を見学し、パンフレットなどを頂く。

 「当時、差別のために資金を得られなかった町内の皮革業者に融資を行い、産業の育成・振興に大きく貢献したほか、その利子を地元の小学校の運営資金や道路建設資金に充てるなど、自力で差別を撤廃していく模範とされました」(パンフレットより)という貴重な建物は大切に保存されていた。

◇この日は晴天で柳の木の新芽が微風にそよぎ、春の訪れを感じさせた。近くの喫茶店での講評会後、買い物をしていた連れ合いと京都駅ビル内の鮨店で落ち合う。スケッチした後でビールを飲み、おいしいものを食べるのは久しぶり。この店は、手頃な値段の鮨セットでもカウンターに座ると一貫ずつ握ってくれるのがうれしい。この日の鮨では蛍烏賊のにぎりがびっくりするほど美味しかった。

 満足して家に帰り、連れ合いが買って来てくれた私が京都の菓子で一等好きな阿闍梨餅とお茶で1日を締めくくった。