◇桜を描こうと家の近くを流れている佐保川へ。
よく知らないが万葉集にも出てくる川らしい。
川路桜というとても古い桜木が有名でライト
アップもされているそうだ。
◇桜は描くのが難しい。
花の形がとりにくいし、幹や枝もややこしい。
花の色も白というかとても薄いピンクで
水彩絵の具でその色を出すのは
とても難しい。
だから花の色は色えんぴつで塗ることに
している。
◇川沿いに桜並木が続いているが、
JRの電車が通る小さな鉄橋が見える
ポイントが好きで、今回もそこにする。
満開にはもう少しという感じだが
人が多い。
苦手な桜の木を大きく真ん中に描き、
電車と花見する人たちも入れる。
◇「様々なこと思い出す桜かな」
と芭蕉が詠んだように
桜を見ているといろんな事が浮かん
でくる。
その多くはこれまで生きてきての
悔恨や苦い思い出。
◇毎日新聞の人生相談を担当して
いる高橋源一郎さんの回答に
「わたしたちにはみんな、自分だけが
知っている自分の経験を慈しみの
視線で眺める義務があるはずです」
とあった。
「目を覆うように無残な光景の中に
ほんの少し良きところが、愛おしい
ところがある。それがわたしです」
とも。
高橋さんの回答に励まされている
のは相談した人だけではないだろ
う。