仲村トオル主演のVシネマ第2弾。
今作も製作陣はほぼ同じでハードボイルドの世界観で製作されている。
このシリーズ主演後に2時間ドラマの刑事役で主役を張るようになり、
歳取るにつれて渋い男らしさを増していったので
このシリーズは彼にとって転換期だったのかもしれない。
あらすじ
元警官で射撃の腕は一流ながら、
今は長距離トラックの運転手をしている松下(仲村トオル)は
仕事の帰りにドライブインで偶然、東都銀行の元貸付部長高橋(森次晃嗣)の
誘拐の現場に立ち会う。高橋の娘を救うために相手の銃を拾って発砲したことから
刑事の野口(蟹江敬三)に目を付けられる。東京に帰った松下は
ピアニストの優子(早見優)と共に東京を離れることにしたが…
重要な点
前作からの続きではあるが、キャストは一新されている。
松下の設定は変わっていない。前作に引き続き監督は一倉治雄。
音楽もJAZZが中心でハードボイルドの世界観は継続している。
この作品のテーマは『宿命からの逃亡』で、
中々過去のしがらみから逃れられない松下の非情なさだめを
乾いたJAZZで彩っているかのようだ。
良かった点
主演の仲村トオルは不器用だが、成長しようとしているところは評価できる。
脇を固める蟹江敬三や山西道弘、片桐竜次といった東映の名優たちが
主役を支えている構図だ。
悪かった点
ヒロインが早見優。早見のアイドル時代の明るいイメージとは逆の
都会の片隅で荒んでいくピアニスト役は正直ミスキャスト。
どうせなら貸付部長の娘役の方が良かった気がする。
ピアニストは、熟女(倍賞美津子あたり)が演じた方が良かった。