『徳川女系図』『温泉あんま芸者』に続く石井輝男監督の異常性愛路線の第３作。
『徳川女系図』はヒットしたが石井監督は岡田茂プロデューサーから
「『おとなしい』からドンドン行け」と言われてエログロ度を増した作品。
日活ロマンポルノよりも前の時代で東映の任侠映画全盛期の時代に
京都撮影所で裸の女優が走り回り、若山富三郎や鶴田浩二が反撥したとのこと。
興行的には低予算にも拘らず大ヒットしたとのこと。
あらすじ
全３話によるオムニバス的作品であるが
全話を通じて人情味溢れる与力吉岡（吉田輝雄）と
冷酷無比な与力南原（渡辺文雄）の視点から描かれる徳川時代の
苛烈な刑罰と捕まるに至った経緯を描いている。
重要な点
徳川時代の刑罰は苛烈だが，何故、そうなってしまったのか？
人の弱さ、欲望、そして裏切りといったやむにやまれぬ事情で
堕ちていく人々を石井監督はテンポよく描き出していく。
悲しい話ではあるがあまり引っ張らず（ドキュメンタリータッチ）
に演出しているので感情移入しすぎないのが良い。
良かった点
主演の吉田もよいが１話のヒロイン橘ますみが可憐でよかった。
２話は東映版スパイダーマンの女幹部アマゾネスで有名な賀川雪絵が美しかった。
３話では彫師彫丁を演じた小池朝雄が狂気じみた壮絶な演技を見せている。
悪かった点
３話での文雄演じる南原の表情が凄かった。
拷問・処刑シーンが多いので体調の良い時観ることをお勧めする。