東雲楼 女の乱(1994年東映) | 映画バカ一代~観らずに死ねるか~

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映画に関する想いのたけをぶちまけますね。辛口で行きます。たまに甘くなりますが。

1987年から始まる『極道の妻たち』シリーズの

常連女優のかたせ梨乃主演、斉藤慶子が脇を固める

九州熊本の遊郭東雲楼が舞台の大作。

熊本県人の私としては熊本弁で

気風を切る女優さんたちのセリフに痺れまくり。

九州弁の熱さが東映の映画と相性が良いのか。

そう言えば健さんも福岡出身でした。

 

 

 

 

あらすじ

九州熊本の遊郭東雲楼。

元芸者の鶴(かたせ梨乃)は旦那山岡(津川雅彦)

の出資で東雲楼の女将をしていた。鶴が子供の頃

遊郭に売られてきた志津(斉藤慶子)は鶴の元で

芸者を引退しお茶子頭を務めていた。そんな

鶴のもとに山岡が久しぶりに訪ねてくる。

山岡は事業に失敗し、家庭も財産も失っていた。

鶴は東雲楼を担保に高利貸しの有働(中尾彬)

から借金をして最後の大勝負を山岡に勧めるが…

 

 

 

 

重要な点

正直『吉原炎上』の二番煎じ的な感じもするが

関本郁夫監督は女性の情念を丁寧に掬い取っていくのが上手い。

中盤やや魅力的なエピソードに欠け、やや中だるみなきらいが

気になるがその分後半に見せ場が多く、盛り上がりを見せる

日活でロマンポルノを監督していた経験も生かして

女優の濡れ場も美しく、適度に挿入されている。

 

良かった点

主演にかたせ梨乃が素晴らしかった。他の作品も数多くみたが

この作品が一番素晴らしいと感じた。熊本弁も板についていて

感情表現が豊かで印象的だった。

相手役の斉藤慶子も今までのトレンディドラマ的な演技ではなく

腹の座った情の厚い九州の女を熱演している。

宮崎出身ですが熊本大学卒業だから熊本弁は違和感なし。

 

悪かった点

宮尾登美子原作のシリーズでは

主人公の男運が悪く、ドンドン不幸になっていく

展開だが、この作品は風間トオルが救いだ。

中尾彬もそこまで悪人ではないのも面白い。

南野陽子は寒椿の熱演がこちらで報われた感がある。

今作では脱いでないが演技は良かった。